正住院は天澤院と並ぶ、常滑では最も大きなお寺で、屋根誠では両寺の屋根のお世話をさせて頂いていますが、今回は正住院の六角堂の屋根の修理です。
点検するだけでも足場を掛けないと登れないほどの高さで、今回は点検と修理を一気にやってしまう感じです。とはいえ、すでに屋内から空が見えるほど傷んでいるので、修理は絶対です。
が、登ってみると想像以上にひどい状態でびっくり。
穴の周辺の瓦をめくり、新しい板を張って葺き戻しました。
原因は150年間の間に徐々に瓦がズレて下がってしまい、最終的な影響がこの部分に出たという感じ。150年ですからね。そりゃどうにかなっても仕方ない時間ですよ。
瓦が吊られている面はズレていない。
一方で瓦のズレがそれほどでもない面がありました。この面なんて他の面と比べると綺麗なものです。
何が違うかというと、ズレていない面は3枚に1枚の割合で、銅線で吊られているんですね。
当時は金属が貴重なので、全ての瓦を吊ることができず、決まった面で3枚に1枚を吊ったのだと思います。
現在はすべての瓦を固定します。
きちんと固定すると、150年経っても大丈夫ということ。こういうのを見るときちんと固定することの大切さがわかりますよね。
現在の施工方法だとすべての瓦をなんらかの形で固定することになっています。3枚に1枚が吊ってあるだけで150年ももつってことは、全部が固定してあったら何年もつのやら。
なんで瓦を使わないの?
化粧スレート(カラーベスト)や板金の屋根は30年も経ったら終わり。瓦を使わない理由がどこにあるのか不思議でなりません。