トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

瓦の下に砂がびっしりと!

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

30年近い屋根屋経験で初めての状況。

僕も50歳になり、屋根屋になって28年が経過したので、それなりに経験を積んできて、雨漏りについてはかなり多くの症例を見てきました。なんせ年間100件近く雨漏り修理することがありますから、原因が解りやすいのから解りにくいのまで、いろいろとあります。今回は30年近い経験で初めてのことでした。

表面上は問題なくとも、何かがおかしい…。

雨漏りするということで連絡をもらい、屋根に上がってみると、何かがおかしい。足元から変な音と感覚が伝わってきます。なんだこの、何かがこすれるような感覚は。

雨漏りしているであろう箇所を見ても、表面上は問題ありません。そりゃそうです。葺き替えしてから15年程度だと言いますから、瓦も新しいものです。特にこれ、と決めたわけではなく、なんとなく一枚の瓦をめくってみてびっくり。瓦の中に砂がびっしり。

雨漏りの原因は『砂』

これ、土葺きではなく、桟葺き、防災瓦の全数釘打ちです。砂は隣の砂浜から冬の強烈な西風で飛んできたもので、塩分を含んでいるので、桟を留めている釘や、ルーフィング(防水紙)を留めているタッカーの針を錆びさせることは想像に難くありません。錆びた釘や針はルーフィングの穴を広げてしまうので、雨水の侵入を許す原因になります。また、瓦と瓦の隙間に、ここまで砂がびっしりと詰まっていると雨漏りの原因にもなります。瓦の重なり方からすると、こちらの面はそれほど砂が入るとは考えにくいのに、なぜこんなことになるのか…。しかも、同じ面のすべてに詰まっているわけではないのが不思議なところで。

天井を見ても、どうやら部分的な雨漏りではなさそうなので、20㎡ほどの瓦をめくり、ルーフィングから再施工することになりました。ただ、今後の砂の侵入をどうやって防ぐのかは考えないといけません。

いかに風の強い常滑といえど、こんな状態は初めてでした。