トライアスリート屋根屋兼遅咲きなんちゃってトレイルランナー、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。
奥信濃100(山の中を100キロ走る大会、事情により75キロに変更)の前半の最高地点、標高1351mの高社山山頂からは一気に下ります。得意の下りなので、ここからは順位を上げられるはず。でしたが、まったく体が動きません。登りのほうが楽なくらい…。
スキー場の斜面の脇に作られた階段は、画像で見るよりもはるかに急です。走って下りることはできないまでも、あまりにもゆっくりにしか下りられなくて、他の選手にどんどん抜かれます。自分のペースが速いかどうかは分からなくても、他の選手のほうが速くて抜かれることはあっても、抜く選手がいないので、僕が遅いのは確かです。まだ23キロを過ぎたばかりの下りでこれは相当ヤバい状態です。
だいぶ少なくなってきた水分を補給しながら山の中を下っていきます。ずっと下りだと思っていたのに、いきなり登り返すところが現れ、ここで心が折れ、木の椅子に座り込みます。
もうフラフラで、体が動きません。なんなら指先が軽く痺れてきて、熱中症の入り口という判断ができました。まだ24キロの地点でこの状態では、とてもじゃないけど完走は無理なので、ここでDNF(Do Not Finish)を決めました。トレランは地力で下山するのが基本なので、本気の無理はできません。
数分休んでから、再びコースに戻ります。選手はみんなフラフラです。なんなら僕よりも遅いくらいの人もいます。途中に立ち止まっている人がいたので声をかけると、塩を持っていないということで、魔法の塩、ソルトスティックを渡し「めちゃくちゃ効きますよ」と飲んでもらいました。実際に効果はあるけど、何より「めちゃくちゃ効く」という言葉のプラセボ効果は馬鹿にできません。
たった3キロの下りをこんなに長く感じたのは初めてかもしれません。階段があるとしても、普通なら20分もあれば下りられるところを、1時間以上かけて下りました。なんとか下山し、26キロ地点として再び戻ったスタート地点でスタッフの方にDNFを宣言し、僕の奥信濃100は終了しました。
その後はモンスターエナジー、コーラ一気に飲み、かき氷を食べ、ホテルの大浴場で体を洗ってから、死ぬほど冷たい水風呂に入って生き返るという、死ぬのか生きるのかわからない状態で復活しました。ちなみに風呂には続々と選手が入ってきました。みんなDNF仲間です。100キロのトレランというと、だいたい50キロ以上のトレランを2つ以上、完走していないとエントリーできないので、みんなそれなりに走れる人なんですけどね。この日は僕と同じように湿度にやられた人が多かったと思います。
さて、奥信濃100はDNFに終わりましたが、DNFの原因こそ書き記す意味があるので、次回はきっちりと原因を書きます。