トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

DNFのタイミング

トライアスリート屋根屋兼遅咲きなんちゃってトレイルランナー、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

 

信越五岳トレイルランニングレースのボランティアをさせてもらったときに感じたことを書こうと思います。

ボランティアが想像以上に大変なのはよくわかりました。特に僕が担当した時間帯が深夜で、それも二晩連続だったのもあり、その時間帯に選手の安全を確保するために働いてくれているボランティアがいてこそ、大会は成立するということを改めて実感することになりました。もちろん昼間だって、エイドで飲食物を提供することだって、受付だって、すべて揃って初めて成立するわけですから、すべてのボランティアが同様に大切です。ちなみにカバー写真になっているのは、信越五岳トレイルランニングレースでボランティアを担当した人たちの一部です。

吹きさらしの深夜の山頂で待機を強いられる。

僕が二晩目に担当したのが、選手が最後に登る瑪瑙山山頂のコース誘導でした。しかも、最後のランナーとスイーパー(最後のランナーの、さらに後方から、選手が取り残されていないかを確認しながら走るボランティア)が通過する時間。当初の予定では深夜1時30分頃にスイーパーが通過し、僕たちは撤収しながら下山するはずでした。ところが2時になってもスイーパーが現れません。無線で確認してみたところ、最後尾のランナーがDNF(リタイア)を宣言しないまま、コース上で止まっているため、スイーパーが進めずにいるとのことでした。瑪瑙山山頂は標高1748mあります。9月とはいえ、深夜の高所は冷え込みます。僕たちは吹きさらしの深夜の山頂で、そのまま2時半まで待つこととなりました。

選手の判断でボランティアを危険にさらすことがある。

瑪瑙山山頂からゴールまでの距離は20キロほどあります。ゴールの制限時間は3時30分。最後尾を走る、というか歩く選手が2時間でたどり着ける距離ではありません。スイーパーが山頂を通過する予定時刻の1時30分でも、ほぼ完走は不可能です。今回の場合、選手がコース上で立ち止まってしまい、スイーパーが進めない事態が起こりました。となると、もしかすると、スイーパーが進むべき先に、取り残されて動けなくなった選手がいるのを見つけるのが遅くなってしまうかもしれないし、撤収できずに山頂で待つしかないボランティアもいるわけです。ゴール前最後の関門を通過できて、まだ制限時間に達していないとしても、ゴールできないとわかってしまった以上は、どこかでDNFするほかないわけで、制限時間前だからと、ずっとコース上にいて良いわけではありません。もしかして、その人が3時30分までコース上で止まっていたとしたら、スイーパーが山頂を通過するのは4時過ぎになり、ボランティアが撤収できるのはその後ということになってしまいます。それは止まっている選手自身、スイーパー、ボランティアを危険にさらす行為になってしまうわけです。

トレイルランニングはあくまでも『遊び』『趣味』

100キロとか100マイルといった大会に出場するためには、それまで長い時間と距離を積み重ねる必要があります。誰だって諦めたくないはずです。でも、トレイルランニングは『遊び』『趣味』です。遊びで多くの人を危険にさらすのは間違いです。残された距離と残された時間、そして残された気力と体力をしっかり見極めて、生きて帰れるうちにDNFを選択することは、みんなの命を守ることに繋がるし、決して恥ずかしいことではないと思います。