トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

信越五岳トレイルランニングレースで徹夜のコース誘導②

トライアスリート屋根屋兼遅咲きなんちゃってトレイルランナー、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

あまり眠れず、温泉が熱いw

一度目のコース誘導を終え、宿に戻って仮眠となりますが、いまいち眠れません。同班の人たちも同じようで、うとうとしているだけ。とはいえ眠らないわけにはいかないので、とにかく横になっています。宿の都合で風呂に入れるのが14時から朝8時までとなっていて、9時に戻ってきた僕たちは風呂に入れず。みんな14時が過ぎるのを寝ながら待って風呂に入りました。余談になりますが、新赤倉館の温泉は少し白濁し、湯の華も舞う硫黄泉。おそらく43度ほどと熱めで、熱いのが好きな僕には最高でしたが、他の人たちはゆっくり入るというわけにはいかないようでした。

現場合わせ

18時過ぎからミーティングを開始。それぞれの持ち場を地図上で確認し、イメージしていきますが、最終的には現場合わせです。しかも僕の持ち場は145キロ地点で、最後の山頂となる瑪瑙山(めのうさん)山頂。多くの選手がボロボロの状態で到達し、予定通りにはいかないはずです。

19時、移動開始。戸隠スキー場へ。

19時にハイエースに乗り、まずは戸隠スキー場のエイドステーションに向かいます。141キロ地点、戸隠スキー場は選手にとって最後のエネルギー補給地点となります。

戸隠スキー場

個人的なサポートも受けることができます。

僕たちはここからさらに車に乗り、スキー場の荒れた斜面を登っていきます。僕は車でオフロードを走ることにも慣れているけど、他の人は初体験のようで、車内は盛り上がりました。車で行ける最高到達点、標高1480メートルあたりに到着し、そこからは車を降りて足で登ります。

選手たちが下りてくる登山道を逆に登ります。

ゆっくりと約30分かけて瑪瑙山山頂に到着。通常の登山であれば気楽なものですが、僕たちの役目はここから。前の時間を担当していた人たちから引き継ぎ、山頂を担当する4名で持ち場を決めて、予定通り21時から誘導を開始しました。

役割は誘導だけど、応援がメインに。

瑪瑙山山頂の標高は1748メートルでコースの最高地点。すでに140キロ以上を走ってきて、最後に最大の壁を乗り越えることになります。まさしくラスボス。しかも僕たちが担当した時間帯は最後の数時間なので、なんとか完走を目指すレベルの選手たちが通過する頃です。登ってくる人たちはすでにふらふらです。コース誘導はもちろんですが、メインは応援になってしまいます。

選手が元気になる声かけ。ボランティアが嬉しい声かけ。

選手たちは立ち込めたガスの中を一歩ずつ、ゆっくりと登ってきます。

選手が70~80メートルに近づいてきたら「ガンバ!ガンバー!」「あと少しで山頂だよー!」と声を張り上げます。僕が誘導していた場所は頂上から少し、コースを戻ったところで、頂上までは距離にして100メートルで、標高差だと10メートル。僕が選手なら、残りの標高差が10メートルだとわかったら嬉しいので、選手たちにも「標高差残り10メートルだよ!」と伝えるようにしました。すると選手たちは「おお!ホントにあとちょっとだ!」とか「やった!元気が出た!」とか言って、笑顔になります。

遠くからガスの中を進む選手たちの姿は、感動するほど美しく。

僕たちは気温一桁の中をダウンやレインジャケットを着こみ、応援し、誘導します。誰かがやらないといけない役目で、僕たちはたまたまそこの担当になっただけですが、選手の中には「寒いのにありがとうございます!」と言ってくれる人もいました。僕も選手のときに、同じように声をかけることがありますが、逆の立場になってみると嬉しいものですね。それを知れただけでもボランティアをやって良かったと思います。

がんばれ!

集団で登ってくる人たちも途切れ、最後のほうはポツン、ポツンと孤独と闘いながら登ってくる選手がいます。彼らにとって、僕たちの言葉がどれほどの力になるかはわかりませんが、そんな人にこそ、声をかけたくなります。

長い三日間のボランティア活動が終了。

本来ならスイーパーの通過予定時刻は1時30分くらいでしたが、諸々の事情(思うところがあるので、別のブログで書きます)により、スイーパーが山頂まで来たのは2時半近くになりました。僕たちはその時間から誘導看板を撤去しながら下山。車に到着したのは3時くらいで、結局、宿にたどり着いたのは5時を回っていて、この日も9時間ほど活動しました。部屋に入り、とりあえず着替えて風呂にも入らずに布団の中に。長い長い三日間の誘導ボランティアが終わりました。