トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

古い瓦を保存してある理由は、古い家の屋根の自然に美しく修理するため。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

 

うちの敷地にはいたるところに古い瓦が置いてあります。

一見すると古い瓦を捨てそびれて、そのままにしてあるように見えますが違います。本当に違います。違うんです。

古い瓦は古い屋根を修理するために。

これらの瓦は修理のために、あえて古い瓦を保存してあるんです。いや、放置してあるみたいに見えるのもありますが違うんです。保存しているんです。

近年の瓦はJIS規格で決められた大きさで作られていますが、昔の瓦は窯元によって大きさが違いました。もうとにかくバラバラ。なので、古い家の修理に瓦が必要になると、古い瓦が必要になるんです。古い瓦を持っていっても合わないことが多々ありますが、合わないなら合わないで、加工して合わせて使います。

新しい瓦と古い瓦では風合いが違います。

となると、新しい瓦を書こうして使えば良いんじゃない?となりますが、うちでは極力、新しい瓦を使うのは避けています。だってね、80年も風雨に耐えてきた瓦と、新しい瓦では、見た目が違うんです。経年変化してるんです。経年劣化ではなく、経年変化。瓦が焼かれたときの土や火の具合、どんな屋根で瓦が働いてきたかによって、瓦は様々な変化を見せてくれ、屋根の美しさになります。そんな長年かかって作られた美しさの中に、新しい瓦を入れると違和感が生まれてしまうんです。なので、違和感を防ぐために、どこを交換したのか分からないほどに、できるだけ自然な感じにするように古い瓦を使うようにしています。屋根は町の風景を造ります。できるだけ町の風景になじむように修理するように心がけています。