トライアスリート屋根屋兼遅咲きなんちゃってトレイルランナー、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。
最後の補給地点となる第3エイド、土肥駐車場を出てすぐの木段急こう配。2020年は体調不良でまったく登れず、エイドで30分以上、休んだにも関わらず、10段ほど登っては数分立ち止まるというのを繰り返し、100mほど進んでロードに出たところでDNF(リタイア)を選択した場所です。あんときはキツかったなー、体が動かなかったなー、止めて正解だったよなーとか考えながらロードに出たところで、目の前にいた黒いラブラドルレトリバーと戯れて、ひと時の癒しを。
ケツ筋とハムストリングスの痛みが無くなっているのに気づいたのは、50キロほど走ってきたこの頃。疲れが痛みを上回ったってことだな(笑)人の体って面白い。
土肥駐車場から達磨山山頂までは、最後の本格的な登り区間。ここさえ終われば、あとは下り基調。
少しだけロードに出て、さあ、ここから達磨山への最後の登りというところで、3人の応援の人が目に入ります。「ありがとうございまーす」と声をかけて通過しようとすると、いきなり一人が「タケウチ先輩！」と言いながら近づいてきます。青年会議所(JC)の後輩で富士宮JC歴代理事長にして、ロングディスタンス・トライアスロン完走者の佐野くん登場！「えー－－！佐野くんどうしたの!?みかんありがとう！」なんか突然、届けられたお歳暮の御礼を忘れないのは大人の証拠(笑)
富士宮から高速使って1時間半近くかけて来てくれて、いつ来るか分からないにも関わらず、寒いのに待っていてくれて、驚いたのと嬉しいのと。佐野くんは男だな…。
佐野くんたちと別れ、達磨山に向けて登りだすと、なぜか体が軽くて、先行する選手を抜きまくり。佐野くんの登場でアドレナリン大放出(笑)
山頂からは途中のわずかな登りを除き、16キロの下りに入ります。すでに脚は売り切れているので、下りだからといってゴン攻めできるわけではありませんが、最後に完走した3年前には、ヘッドライトを頼りに真っ暗な中を下った道を、こんなルートだったんだ、と見ながら走ります。これなら明るいうちにゴールできるかも。いや、ゴールする。
この距離を走ってくると、下りが楽なんてことはなく、靴の中でつま先が当たるのが痛いのなんの。くー－－！痛い！と唸りながら下ります。かといって、登りは登りでキツい(笑)
この日は最後まで天気が良く、どこまでも富士山を見ることができました。ITJの醍醐味です。
コンクリートの下りからトレイルに入り、最後のロードへ。残りは4キロほど。でも脚は完全に売り切れで閉店寸前。とりあえず水分を補給しながら歩いては走りを繰り返します。
残り2キロ。ここからは意地。もう普通に呼吸できないので、息をするたびに声が漏れる感じで走ります。道路沿いの家からは人が出てきて応援してくれます。「最後だよ！」ありがとうございます！「ナイスラン！」ありがとうございます！「また来てね！」また来ます！交通整理の警備員までも「あと400m！」と声をかけてくれる。応援てすごい。
ゴール地点の修善寺総合会館への急坂を一気に下り、橋を渡り、花道へ。なんてこった！ヘッ電を使わずに明るいうちに戻ってきた！
10時間33分34秒。出走者1390名中413位。二週間前、11月27日のブログに「11時間半を切れるか？」なんて書いていたのに、10時間33分なんて！もう、めちゃくちゃがんばった！よくやった！おれ！3年前に完走したときは12時間18分だったので、実に1時間45分の短縮！いったい何が起こったのか(笑)
ゴールに先回りしてくれていた佐野くんとも話し「めちゃくちゃ速いっす！」と褒められてご満悦。30キロ地点あたりでは完走すら危ういと感じていたのに、まさかの好タイムでゴール。とんでもない暴風に曝されたけど、そのおかげで景色はずっと美しくて、素晴らしい旅になりました。
トレイルランニングはキツいけど、美しい景色を見られて、応援から力をもらえて、自分のことをたくさん知ることができて、本当に面白い。特にITJは素晴らしい大会の一つだと思います。
