トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

奥信濃100で優勝した下家選手の練習内容が興味深い。トレランにスピード練習は必要か。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

 

ワタクシが世界デヴューを果たした『グレートレース 奥信濃100』を観ていて、優勝した下家悟選手と、3位になった小原将寿選手の練習について、少しだけ触れられていました。結果として下家選手はレースの3分の2を終え、残り20キロほどになってから、抜かれた小原選手が着いていけないほどの圧倒的な速度差で独走。無名の若者が並みいる強豪をぶっ倒して下剋上を成し遂げましたが、ここに練習内容の差があったとも考えられます。

3位の小原選手は山で走るのを中心として、UTMBを始めとするウルトラトレイルで勝つことを目標とした練習を積み、かたや優勝した下家選手はロードでフルマラソンに対応する練習を中心にしたとのこと。言い換えると小原選手は160キロで戦えるようにと、長い距離を走り、持久力を向上するための練習を行い(もちろんそれだけではないはずとは思いますが)、下家選手はロードでスピードを上げる練習をしていました。

下家選手は毎週のように「チームで20キロや30キロの距離を4分/kmペースで走っていた」と言っていましたが、これはフルマラソンで3時間を楽に切る人たちの練習のすごいヤツ。おそらく週の真ん中辺りにはインターバルやビルドアップといった、スピード練習も入れているはず。これにより圧倒的なスピードを手に入れて、奥信濃100で快走したんだと考えられます。映像で見ていても、他の選手を圧倒する素晴らしいフォームと、ケイデンスの高さを維持したままで、そりゃ速いはずだと感じました。

つまり実は100キロ程度のトレイルランニングで勝つ、あるいは速くなるためにはスピード練習が大切だということなのかもしれません。スピードを手に入れるためには、短時間高強度の練習が必要になります。週の真ん中にきちんとスピード練習をして、週末に4分/km×30キロ=120分程度で終える練習をする。超長距離耐久スポーツをやっていると、どうしても長時間練習に引っ張られてしまいますが、練習が長時間に及ぶと集中力も落ちてくるし、故障のリスクも上がります。2時間程度で終わることで集中力を維持できて、故障のリスクを落とせる。これは大切なことです。

僕自身も持久力を着けるために5時間、6時間と走らないといけない、というのも疑わしく思っているのが現状で、短時間高強度練習と、週末の2時間、長くて3時間の練習でも、ある程度は持久力を着けることができそうだと感じています。まあ、実験対象のレベルが低いので説得力がありませんけどね。すべてはバランスの上に成り立つので。

 

信濃100には強豪が集まっていて、あれだけの選手を相手に勝った下家選手の活躍は評価されるべきもので、トレイルランニングの練習についても常識に一石を投じる内容だったと思います。

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左が二位の西村選手、真ん中が下家選手、右が小原選手。