トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

「雨漏りを止めてくれる人は神様」だと言われました。でも神様じゃないからしっかりやらないといけない。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

 

現場で作業していたときに、たまたま通りかかった近所のおばちゃんから声を掛けられました。ナンパです。嘘です。「雨漏りしとって、自分で漆喰を塗ったけど止まらんだわ」と。漆喰で雨漏りが止まれば、おれたちは苦労せんよ、と話し、名刺を渡しておいたら、次の日に電話があり、とりあえず点検を依頼されました。

ちょうどついでがあったので、1時間後におばちゃんちに行き、屋根を見てみると、まあ無意味どころか、塗ってはいけないところに漆喰がたくさん塗ってありました。説明して、口頭で概算の金額を伝え、帰ろうとしたら、点検代ってことで3000円くれました。一応、点検のみは5000円ということにしているのですが、もらったりもらわなかったり、あいまいにしています。このときはついでだったので、もらうつもりはなかったのですが、昔、電器屋さんをやっていたというおばちゃんは「うちも見るだけは無償っていうのが納得いかんかったから」と、半ば無理やりお金をくれて「見にきてくれて嬉しかった。ありがとうね」と言いながら、深々と頭を下げてくれました。僕は何もしていないのに…。

 

八ヶ岳の麓に住むシェルパ斉藤さんの奥さん、きょうこさんからは「雨漏りを止めてくれる人は神様だよ」と言われたことがあります。10年くらい前に斉藤さんの家の屋根を、シングル葺きから板金のカバー工法でリフォームさせてもらいましたが、これがすごく心強いと。

 

もちろん僕ら屋根屋は神様ではないし、仕事として雨漏りを止めたりするだけです。それでもお客さんにとって、雨漏りを止めるというのは金額以上に価値のあることなのかもしれません。毎年、100件くらいの雨漏りを見ていますが、中には原因がわからないものもあります。それでもなんとか止めようと努力だけはしています。長いことお待たせしてしまうお客さんもいます。神様じゃないから、何でもできるわけじゃないし、ダメなこともあるけど、それでも屋根屋としてしっかりやらないとね。