トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

『住宅建築』2月号のテーマは「屋根再考」。むしろこれから家を建てる人に読んでほしい本です。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

 

僕のブログにちょいちょい名前で登場してもらう、淡路の瓦師(瓦を作る職人)、大栄窯業株式会社の道上大輔さんが『住宅建築』という、建築に携わる人が読む本に登場しました。

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宅建築 2020年2月号

テーマは『屋根再考』。

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この数十年の日本の建築において、語弊を恐れずに書けば、屋根というのは軽んじられてきました。その家に住まうお施主さんの目からは見えないんだから、安くて雨漏りしなければなんでもいい、あるいは塗装が必要な屋根材のほうが、リフォームでの仕事に繋がる。そう考えるハウスメーカー工務店、設計士、建築士、屋根屋がいるのも本当のことです。住宅建築2月号の巻末、編集後記には編集者が大学時代に「今の学生は屋根で建築を考えないね」と先生から言われたと書いてあります。なぜ屋根が薄いことが良いとされてきたのか、美しい屋根の風景にはたくさん出会ってきたのに、なぜ屋根を知ろうとしてこなかったのかと疑問に思い、この特集に繋がったとのことです。住宅建築なんていう、専門誌の編集者ですら、屋根に着目することがなかったということなので、建築に携わらない人たちにとって、屋根に興味がないのは当然のことです。

 

今号では瓦だけではなく、茅葺屋根にも着目しています。第一部が茅葺き。

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茅葺きというのは、ススキを分厚く重ねて葺いていきます。「草や樹の皮を寄せ集めて使う」という意味のある「葺く」という言葉の語源的工法です。茅はススキなので、その地域に自然に生えているススキを狩り、集めると、屋根に使えるという、とても理にかなったものです。

 

第二部が瓦葺き。

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写真は大栄窯業さんの『銀古美(ぎんふるび)』という、あえて色むらを出した瓦を用いた屋根に使った、淡路島の家。本来は瓦も、地域ちいきで採れる土を練り、焼き、その町の家で使っていました。

 

今までも何回か書いているので、ここで茅葺きや瓦葺きの良さを語るつもりはありません。僕ではなく、専門家が書いたものを読んでほしいと思います。特に、僕らみたいな建築に携わる者ではなく、これから家を建てようという人たちに読んでほしい本です。

 

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住宅建築 No.479(2020年02月号)[雑誌]屋根再考

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