トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

太陽光発電システム業者が実は悪徳業者だった。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の竹内です。

 

数年前に、うちではない業者が太陽光発電システムを取り付けたお宅から「雨漏りするようになったから見てほしい」と、うちのお客さんであるリフォーム屋さんに依頼がありました。そのソーラーはリフォーム屋さんも取付には一切、関わっておらず、タウンページを見て連絡をくれたらしいです。

 

行ってみるとフランスからの輸入瓦、モニエルというセメント瓦の上に、シャープのソーラーが施工されていました。

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セメント瓦というのは、セメントを瓦的な形状に固めて塗装しただけのもので、焼き物の瓦とは似て非なるもの。化粧スレート(カラーベスト)と同じように、10年に一度の塗装をしないと、水を吸ってカビやコケが生えます。割れた瓦を交換しようにも、もう輸入されていないので、入手すらできません。

 

お客さんと話してみると「雨漏りしている」というのは、ソーラーを取り付けた業者で、ソーラー取付後は毎年一度、点検に来ているそう。つい先日に今年の点検に来たときには屋根裏に入って数か所の写真を撮って「雨漏りしている」と言ったそうです。

 

僕も屋根裏に入り、ソーラーの業者から提出された写真を見ながら、雨漏りだと指摘された箇所を探しました。確かに木材に染みはありましたが、それは雨漏りというよりも、新築時、建前のときに、屋根の防水が完了する前に雨に当たった跡程度です。10枚ほど提出された写真をよくよく見てみると、同じ個所を角度や距離を変えて撮っているだけで、実際には3か所ほどしかなく、染みのある個所の周辺を観察しても、一切、雨漏りの跡は無し。

 

汗だくになりながら屋根裏から降りて、リフォーム屋さんの社長と一緒にお客さんに雨漏りしていない旨を説明すると、お客さんは驚いて、それまで黙っていたことを話してくれました。ソーラー取り付け業者は「柱が腐ってきているから、急いで葺き替えしないと大変なことになる。今なら近所で使っている足場を流用できるから安くできる」と言い、とんでもない高額見積を提出したそうです。足場を流用するから安くなるなんてありえませんし、ソーラーに関しても「資格を持っている業者以外が触ると、メーカーの保証が外れますが、うち以外に資格を持っている業者はめったにいません。」と言ったそうですが、シャープソーラーの施工資格を持っている業者なんて山ほどいます。もちろん、僕も持っています。そもそも瓦の施工と比べたら、ソーラーの施工なんて、子供の工作程度のもので、何も難しいことはありません。そして、ソーラーの専門業者は瓦、屋根に関しては無知です。屋根に関わることを屋根屋以外に任せるなんて、とても危険なことなんです。

 

太陽光発電システムが流行った数年前、タケノコのように専門業者が出てきましたが、金儲けしか考えていない、屋根のこと、瓦のことを知らない業者が非常に多くいました。無茶苦茶な施工で大量に売りさばき、雨漏りを発生させながら、数年でがっぽりと儲けてやめてしまった会社もあれば、今回のように、ソーラーをきっかけに、違う方向でお客さんを金づるにしている業者もいます。結局、目先の金のためにやっていたので無責任な業者が多いこと多いこと。

 

太陽光発電システムは収益面で見ても、雨漏りに関して見ても、決して良いものではありません。屋根屋としてはそんなにオススメはできませんが、それでも取り付けたい方は、ソーラーの専門業者という怪しい新興業者ではなく、屋根施工、瓦施工の専門業者に依頼してくださいね