トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

IZU TRAIL JOURNEY 傾向と対策

トライアスリート屋根屋兼遅咲きなんちゃってトレイルランナーの竹内です。

 

今日もIZU TRAIL JOURNEYです。今回はITJの傾向と対策です。

 

ITJは総距離71.7キロ、獲得標高4,408m、最低標高0m、最高標高1,035mという、ミドルディスタンスのトレイルランニングレースです。

f:id:yoshikixx:20171214083409p:plain

f:id:yoshikixx:20171214083436j:plain

 

大会の運営、景観、エイドの質と全てにおいてハイレベルで、きちんと準備してくれば、最高に楽しい旅を堪能できます。ただ、この準備が非常に重要だと感じたので、来年以降に出場や完走を目指す人と、自分自身の備忘録としても、書き記しておこうと思いました。

 

なにはともあれ寒さ対策

2017年のITJ、出走者数1,589名に対して、制限時間内の完走者数1,220名。完走率76.8%となりました。つまり369名もリタイアしました。スイム3.8キロ、バイク180キロ、42キロのロングディスタンス・トライアスロンでも完走率は90%以上。IRONMANシリーズでは95%前後になります。この差はほとんど寒さが原因だと思います。

 

距離や標高差よりも寒さとの闘い、というのがITJだと思うんです。

 

 

前日の競技説明会でプロデューサーの鏑木さんが「必ずダウンを持っていくこと。ニット帽も欲しい」と言っていました。70キロものトレランが初めての僕は、そこまで必要ないんじゃないかと思いましたが、鏑木さんのアドバイスに従って、コンビニでニット帽を買って、装備に追加しました。それで出来上がったスタート時の服装がこれ↓

f:id:yoshikixx:20171213184854j:plain

ニット帽、ネックウォーマーを兼ねてのBuff、綿50%・ポリエステル50%の長袖Tシャツの中にドライ系Tシャツとアームカバー、ランパン、ハイソックス。これにレギンスもプラスしました。装備には薄手のダウンとシェル。最終的には全てを着用して走っている時間帯もありました。

ニット帽は途中で脱いでザックに入れ、Buffをヘッドバンドにしている時間が長かったかな。

ちなみに長袖Tシャツは速乾ではありません。速乾素材は素早く汗を乾燥させますが、その際に気化熱として体温も奪っていきます。次回、出場するのであれば、薄手のメリノウールを着用します。

 

9日(土)の天気予報によると朝6時のスタート地点の気温は3℃。9時の天城山(標高1,406m)が2.9℃。標高の低い伊豆市の15時が11.9℃となっていました。スタート地点の気温は、それほど低くなりませんでしたが、ダウンを着用しても寒いくらいでした。スタートしても標高が上がり続けるため、気温は下がる一方で、最初にかいた汗が乾くことはなく、ずっと冷えた状態でした。気温が低い上に、強風にさらされた場所での体感温度はマイナス5℃を下回ったはずです。

 

リタイアした人を見ていて感じたのは、寒さ対策の不備でした。パタゴニアやノースフェイスの広告に登場するような、ダウン等を持たない簡素な装備でスタートし、低体温に陥った人が多い印象です。脚をむき出しにして、荷物を持たないで山を駆ける姿はかっこいいものですが、それで身を危険にさらし、DNFしてしまうのは間違っています。

 

身体は暑いときには動きますが、寒い時には動きません。暖かい装備を用意し、エイドでしっかり補給することはもちろんのこと、30分から一時間に一度は100キロカロリーくらいは補給しないと、体温を維持できなくなってくると思います。

 

競技規則に載っている温かい装備と、十分な補給が完走への第一歩です。

 

無駄のない練習を

当日の僕のレベルはおそらくフルマラソン3時間15分くらいです。遅くはないけど、むちゃくちゃ速いわけではないランナーで、今までの最長距離は45キロのトレイルでした。そんな僕が今回はかなり余裕を持ってゴールしました。タイムは12時間28分09秒で男子1,363名中600位。真ん中よりは上ってくらい。

 

練習量は少なく、9月が54.3キロ、10月が145.2キロ、11月が150.2キロです。これで12時間半で走れるんだから、まあまあ効率的な練習をしていると思います。本当のところ、かなり余裕があったので、スタート時に前のほうに整列して、追い込めば1時間以上の短縮は可能だったと感じています。

 

効率的な練習というのは距離に囚われることなく、内容を重視した練習です。ほとんどの練習は距離ではなく、時間で管理しています。

山が近くにない地域に住んでいるので、週末には100m~150mくらいの坂を上ったり下りたりを30分から40分走り、その後に2時間、アップダウンのある舗装路を走ったいしていました。平日は1時間程度でジョグと少し早めのペース走等。

ランだけではなく、スイムやバイクで心肺機能を向上させるのも有効です。ランだけの練習だと、脚を疲労させてしまうので、脚を休ませながら、心肺に刺激を与えていくのは、とても効果的だと感じました。

 

そして直前の一週間は二日に一度のジョグくらいで疲労抜き。疲労の無い状態で臨むというのも大切なことだと思います。

 

塩分補給をしっかり

ランだけしかやっていない人たちと会話していて、気になるのが塩分補給に対する意識の低さです。ハーフマラソンくらいであれば、ほぼ気にしなくても良いし、フルマラソンでも、そんなに大切では無いと思います。

 

が、10時間を超えるような距離になると話しは別です。今回も途中で脚を攣らせている人たちを何人も見ました。ミドリ安全の塩熱サプリとか、コンビニで手に入るラムネみたいな塩分補給タブレットとかでは、ほとんど無意味です。もっともっと塩分は必要です。今回の僕は最初に持っていく水分を経口補水液にして、途中では1時間に一個は#0くらいの大きさのカプセルに、岩塩を入れたものを飲んでいました。これで痙攣もしなければ、攣ることもありませんでした。

 

12時間28分という平凡な記録ですが、それでもはじめての距離を、余裕を持って旅を楽しめたというのは事実で、出場する大半の選手がこのくらいのタイムでゴールしてくるはずです。かっこいい速くて強い選手をマネして完走できないよりも、なによりも安全に完走したほうが、楽しい旅になります。