トライアスリート屋根屋兼遅咲きなんちゃってトレイルランナーの竹内です。
フルマラソン3時間15分くらいのランナーによるレポートだと思って読んでください。
IZU TRAIL JOURNEY 2017
A3土肥駐車場ではスタッフが「ここから先はもっと寒くなります!防寒対策を万全にしてください!」とアナウンス。僕はすでにダウンを着用済みなので、そのまま出発しました。
土肥駐車場からは3キロほどの上り区間。この一帯には積雪があります。降り積もった雪の道を選手が通過するために、コース上はぐちゃぐちゃに。滑る足に気を遣い、さらに稜線上では天気予報を大きく上回る強風が吹きつけます。強風の模様は動画でどうぞ。
昨年も出場した人によると、今年のほうがきつかったようです。気温は5℃を下回り、強風により体感気温はさらに下がります。ダウンを着ていても寒い。かといって、滑るので走ることもできない状態が続きます。
ひたすら寒さに耐える時間。前日の説明会で鏑木さんが「とにかく寒いから防寒対策をしっかりと。思ったより温かかったという人は一人もいません」と言っていた意味がよくわかりました。装備が不十分だと低体温症に陥るでしょう。
最後のチェックポイントを通過し、残すは下りの10キロ。最後は気持ちよく飛ばして終わるか!
と思いきや、2キロの上りはあるわ、下りも勾配が急だわでまったくペースが上がらず。最後の最後に追い込んでくれるコースです。
急勾配の下りをヘッドライトを頼りに走ります。
ついに山を抜け、あと2キロだ!と思っていると、ボランティアの人が「残り3キロです!頑張ってください!」と死の宣告(笑)
70キロ近く走ってきておいて、たかだか1キロ増えたからといって何か変わるのかと思うかもしれませんが、この精神的なダメージはデカいです(笑)
もう歩いちゃおうかなーと一瞬、心によぎりましたが、ここで歩いたらもったいない!と思い直して走り続けました。最後の3キロのペースは余裕を持っての5分20秒/km。こんなに走ってきたのに、まだこのスピードが出せるなんてと、今までの練習に感謝します。
ついに修善寺の温泉街に突入。
写真はブレるけど、走るのは止めません。
ここに来て両膝は痛いけど、足首も痛いけど、シューズのミッドソールはヘタり、ソールの凸凹を足裏に感じるほどだけど、走るのは止めません。ここで歩いたら後悔することを知っているから。
ボランティアの人に応援されながら走り続けると、ゴールの修善寺総合会館が見えてきました。なんだこの最後の下り坂は!急すぎるわ(笑)筋力を失った今、ここを駆け下るのはさすがに危ないと判断して、ちょっとだけ歩き、ついに明るく照らし出されるゴールゲートに向かいました。
後ろに人がいないことを確認して、ゴールテープの手前で振り返り、コースに向かって一礼。
「ありがとうごさいました。」
ボランティアの皆さん、大会関係者の皆さん、スポンサーさん、近隣の皆さん、全ての人たちのご協力の下で、僕たちは一日、旅をさせてもらえたということへの感謝。
長い長い一日だったはずなのに、あっという間と感じました。
12時間28分09秒というタイムは決して早くはありませんが、最後まで走りきった自分には納得できました。ゴールしてすぐには笑顔でいられたのに、少し時間を置いたらちょっと泣けたりして。トライアスロンでは忘れていた感情でした。
最後の最後に膝は悲鳴を上げましたが、体中がずっと耐えてくれて、気持ちは一度たりとも折れることなく、ゴールに向かって走り続けられ、ゴールのときに思ったのは寒い中を僕たちのために大会を開催してくれた人たちへの感謝でした。
『LIVING ON THE TRAIL』
IZU TRAIL JOURNEYは極寒との闘いでしたが、本当に素晴らしい大会でした。また必ず出場します。