トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

バスケットボール日本対フィンランド戦を、大学までバスケ部だったタケウチが解説してみた。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

 

やーーーー、バスケットボールのワールドカップで日本がフィンランドに勝ちましたねーーーーー!中学校から大学までバスケ部だった僕は胸アツですよ。こんな日が来るんですね…。でもね、今回の日本代表がとった戦略は、僕がずっとどこかに提唱してきたことなんです。日本対フィンランド戦をバスケをやったことのない人にも理解できるように書いてみたいと思います。

3点シュートに目が行くけど、実は日本が走り勝った。

試合全体を通して見ると、前半はフィンランドペースで、後半、特に第4クオーターが日本。その中でも一つ言えるのが、日本の選手たちすべてがハードワークして、激しくディフェンスし続けたこと。前半こそフィンランドの3点シュートが決まり、差をつけられましたが、ひたすら走る日本を相手に、フィンランドは徐々に体力を削がれていき、後半は3点シュートが入らなくなり、ディフェンスも綻びが出るようになりました。Bリーグを見ていると、とにかくディフェンスが激しい。試合を通して、常に前から当たり続けるバスケットボールは日本の特徴でしょう。普通はあんなに前から当たり続けたら、最後はふらふらで試合にならなくなるものです。ところが日本はそれを最後まで出来る。となると、それに付き合わされるフィンランドが最後にふらふらになってしまったということです。つまり、前半にある程度、離されるのは想定内で、勝負は後半。その後半で一気に逆転したのは、おそらく日本のプラン通りだったんじゃないかと思います。バスケットボールは極端に番狂わせが少ないスポーツです。ちゃんと観てみると、今回の日本の勝利は決して番狂わせではないんです。

前半の苦しいところを支えたベテラン、比江島!

ここからは選手に着目したいと思います。

第1クオーターと第2クオーターは比江島慎が日本を支えてくれました。なぜか入るフィンランドの3点シュート。前半の決定率は55%くらいだったようです。さすがに55%も3点を決められたらヤバい。でも代表最年長でずっとヨーロッパ勢に負け続けてきた比江島が、ここで必死のプレーを見せてくれました。第1クオーター序盤はいまいち波に乗れずにいたのを、残り4分ほどから入った比江島が、いきなり3点シュートを決め、その後もドライブ(ドリブルで切り込むこと)からフリースローをもらったりして、第1クオーターだけで9点。前半合計14得点。比江島の働きで36対46という10点差で折り返すことができました。比江島無くして、前半の10点差はありえませんでした。たぶん比江島は前半で出し切るつもりだったんじゃないかな。

比江島慎選手

後半は22歳の若者二人が躍動

後半、第3クオーターからは富永啓生と河村勇樹。ドイツ戦でまったくダメだった二人が、それぞれの個性を出してくれました。ドイツ戦の富永は完全にマークされて自由にさせてもらえなかったし、河村は力が入りすぎていたんじゃないかな。フィンランド戦では別人のように最初から飛ばしていました。

富永のオフェンス力が爆発!

第3クオーターでは最大18点まで差がついたものの、富永の3点でなんとか踏ん張り、第3クオーター終了寸前に馬場が3点シュートを決め、10点差で終わることができました。この『10点差』がデカかった。残り10分で10点差なら大丈夫。13点差と10点差は精神的に違うんです。富永はシュートはすごいけど、ディフェンスが良くない。でも、監督はディフェンスよりもオフェンス、富永の3点シュートで追いつくという判断をしたんじゃないかと思います。第4クオーターでも3点シュートを決め、相手ボールをスチールすると、たまらずフィンランドが激しくファール。これがアンスポーツマンライクファールとなり、フリースロー2本と、その後のマイボールを獲得。こういうのは両チームとも精神的にくるんです。第3クオーターの富永はオフェンス面を一気に活性化させました。そして自身のオフェンスが良くなったことにより、ディフェンス面でもノッていくことができたように感じました。バスケは攻守一体です。

富永啓生選手

第4クオーターは河村無双!

第4クオーターは河村が無双しましたねー。そもそも第1クオーターで富樫に代わって入ったときから、フィンランドは河村のスピードにまったく着いていけなかったんですよね。河村に関しては最初から最後までフィンランドを蹂躙した感じでした。

河村勇樹選手

第4クオーターで河村が連続で決めた3点シュートが注目されがちですが、河村自身のスピードにより、フィンランドは抜かれないようにするために、少し離れて守らざるをえなくなり、少し離れることで河村がシュートを打てるようになるという流れでした。第4クオーター半ばからは、フィンランドのエース、身長213センチ、NBAのオールスター選手の一人であるマルカネンを河村にあててきましたが、これが完全にミスマッチ(身長差が大きいこと)。サイズがあるので離れて守り、3点シュートを防ぐのには有利でも、スピードと俊敏性では河村が圧倒的なので、河村のちょっとした動きに対応できず、河村が一瞬の隙をついて切り込んだり、3点シュートを決めることができました。これはフィンランドの采配ミスとも言えます。あれだけ自由を与えたら河村はやります。

MVPに相応しい働きをしたホーキンソン

試合を通してで言えばホーキンソン。28得点、19リバウンドはすごい。圧巻です。

ジョシュ・ホーキンソン。このシーンはかっこよかったよね!

日本代表のセンターがヨーロッパの強豪相手に28得点、19リバウンドなんて、30年前には考えられないことでした。これだけリバウンドを獲ってくれるセンターがいると、アウトサイドから打つ選手たちも、彼を信じて打つことができます。外しても拾ってくれると信じて打つと、スリーポイントは入るんですよね。さらにフリースローでの得点が13点か14点。ということは、それだけ体を張り、ゴール下でファールをもらったということです。ホーキンソンが一人で7つか8つのファールをもらえれば、相手はファールトラブルに陥ります。クオーターのチームファールが4つを超えると、次のファールからは相手チームにフリースローを与えることになります。フィンランドのファール=日本のフリースローとなるので、フィンランドはファールを恐れて激しいディフェンスができなくなるわけです。ディフェンスでも要所でブロックショットを炸裂させたりと、フィンランド戦でのホーキンソンの活躍はMVPに相応しいものでした。

MVP!

全選手が素晴らしかった!

他にも渡辺雄太が怪我を感じさせない気迫のディフェンスを見せたり、原がディフェンスから速攻に参加したり、馬場の奥様の森カンナさんがかわいかったりwと、これ以上ない、素晴らしい試合だったと思います。

スピードと持久力こそ日本の生きる道

日本が世界と戦うために必要なのはスピードと持久力。高さでは絶対に勝てないので、スピードでかき回し、しつこいディフェンスで相手を疲れさせることが大切になります。そこに正確なスリーポイントシュートが加われば後半で勝負できる。これってラグビー日本代表の戦い方と同じなんですよね。フィンランド戦のような戦い方ができれば、オーストラリア戦も勝てます。

応援の力

もう一つ、忘れてはいけないのは応援です。応援はすごい力を発揮させてくれます。フィンランド戦の応援はすごかった!あれだけの応援をされたら、そりゃフィンランドはびびるし、勢いもつきますって。会場に行ける人たち、オーストラリア戦も頼んだ!テレビで観戦する人たちも、思いは届くよ!

行け!日本代表!

FIBAの公式X。FIBAわかっとる!