トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

今あえて語る、漫画『SLAM DUNK』

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

今あえて漫画『SLAM DUNK』について語ろう!

12月に一回目の映画『THE FIRST SLAM DUNK』を観てから、スラダン熱が冷めません。今までに何度も読んだ漫画『SLAM DUNK』を、また読み返し、また涙して(笑)映画が最高だったのは、誰もがたくさん発信しているので、今回はこの時代にあえて原作漫画『SLAM DUNK』について語ろうと思います。原作を読む前に映画を観たい人は、読まないでください。

中学から大学までバスケ部だった僕は。

中学校の新入生から始めたバスケを、高校のときにいろいろとあって一旦、辞めて、それでもまたバスケをやりたいと思っていた高3のときにSLAM DUNKの連載が始まりました。連載が始まったばかりの頃は、不良が出てくるし、赤木と桜木の勝負ではフンフンフンディフェンスなどという、馬鹿らしい、くだらない、有り得ない、クソみたいな描写があり、ちゃんとしたバスケ漫画とは感じられず、好きではありませんでした。主人公がなんの努力もせず、才能のみで必殺技を持ち、大活躍していくなんていうのは、スポーツを馬鹿にされてる感じがするんですよね。だからキャ○テン翼とか苦手です(笑)

バスケは基礎が大切。ほとんどのバスケ部員にとって、基礎以外に武器は無い。

ところが桜木がバスケ部に入部してからは、ドリブルの基礎、パスの基礎といった、全てのバスケ部員が通った道が描かれるようになり、庶民シュート(レイアップ)とか、合宿シュート(ジャンプシュート)といった、最初に覚えるシュートを身につけるまでの、地道な練習も描かれるようになりました。

庶民シュートは難しいのだ。

ほとんどのバスケ部員にとって、ドリブル、チェストパス、レイアップシュート、ジャンプシュート以外に武器は無く、最低限にして最大限の武器。

シュート2万本。

ドリブルやパスの基礎ばかりやってきた桜木にとって、シュート練習は楽しかった。

桜木は才能はあるもののずっと初心者で、単行本が全31巻で完結するのに、22巻でパス・ドリブル・シュートの基礎練習が続いていることが描かれていて、自分たちが持つ数少ない武器を得るためにした、たくさんの努力を描いてくれたあたりに、全国のバスケ部員が共感し始めたわけです。

22巻の一部。

リバウンドの大切さを描いてくれたこと。

桜木のもう一つの武器といえば『リバウンド』です。落ちたシュートを拾うという、とても地味なプレーですが、バスケにおいてはとても大切なプレーです。赤木が桜木に「リバウンドを制する者は試合を制す」と伝えるシーンがあります。

そんな言葉があるかどうかは知りませんが、実際にバスケをやっている人たちの感覚では、リバウンドはとても重要な仕事だと認識されています。安西先生が桜木に「相手のシュートが落ちたのを拾い、味方のシュートにつなげることで4点プレーの価値がある」みたいなことを伝えたシーンがありますが、リバウンドの強い選手がいるチームは、めちゃくちゃ強いんです。桜木が拾ってくれるから、三井が自信を持ってスリーを打てるというのは、本当のこと。もしスラダンが普通の漫画だったら、リバウンドは描かれることなく、スリーやダンクといった派手なプレーばかりが描かれたはず。リバウンドという、超地味で、泥臭くて、でもめちゃくちゃ大切な仕事を主人公の数少ない武器の一つとして描いてくれたことも、バスケ部員の共感を得たはずです。身長180センチとバスケの選手としては小さく、得点するセンスに恵まれず、自分が生きる道としてリバウンドとディフェンスを頑張った僕は、桜木のリバウンドが描かれるたびに胸を熱くしたものです。

試合を決める最後のシュートにジャンプシュートを選ぶリアリティ。

王者・山王工業戦の最後、試合を決めるシュートを桜木が「左手はそえるだけ…」とつぶやきながら、流川からのパスを受け、合宿シュートを決めるシーン。

SLAM DUNK』というタイトルで、主人公は素晴らしい才能を持っているにも関わらず、作者が最後に選択したのが、右利きの選手なら誰もが最も確率の高い右45度からのジャンプシュート(合宿シュート)。バスケの試合とは最後は数秒までもつれこみ、最後の力を振り絞る相手ディフェンスを振り切って、ギリギリのところで打つシュートで勝負が決まることが往々にしてあります。でも、そのシュートはダンクではなく、ジャンプシュートであることがほとんど。NBAだってダンクで試合が決まることなんて、まずありません。そのリアリティが熱くさせるんですよね。

リアリティこそSLAM DUNKの面白さ。

誰よりも努力して、少しずつ上手くなっていく桜木に多くの人が自分を投影したんじゃないかと思います。マイケル・ジョーダンや流川にはなれないけど、誰よりも素直に勝利を求め、地道に積みかさねていく桜木のマネならできます。そんなスポーツのリアリティを描いたからこそ、SLAM DUNKは面白いんだと僕は思います。

このシーンを見るたびに泣いてしまう…。