春の常滑と言えば祭り!
常滑は昔から山車祭りが盛んな地域です。小さなまちにも関わらず21台も山車をがあり、春には約1か月半に渡って、毎週、どこかで祭りが行われています。で、僕の住む大谷には二台の山車があり、僕は二台のうちの東櫻車という御車(山車のこと)に携わっています。
この3年はコロナのアレで中止となっていますが、御車は仕舞いっぱなしだと傷んでしまうので、数か月に一度は鞘蔵(さやぐら・山車を仕舞ってある蔵)を開けて御車を出して空気を入れ替え、法被を干したりします。
近代的な設備は一切なし。
うちの鞘蔵にはシャッターなんていう近代的な設備はなく、すべて手作業で開閉させる二重の扉になっています。
このパカッと開く扉を開けるためには、誰かが扉の上まで上る必要があり、いつもなら若者がビビりながら上がるのを冷やかすのが、僕らみたいな年寄りの役目ですが、この日は人が少なかったので、仕方なく僕が上がるハメになりました。
高さ約5m。仕事だったら完全に法律違反ですが、仕事じゃないので大丈夫です。300年も続く祭りは、法律が出来る前からやっているので治外法権なのです。ただ、僕がやると怖くないので面白くないんですよね。怖がってるのが面白いのに。
うちの鞘蔵は御車の大きさにぴったり合わせて造ってあるので、前後左右に余裕がなく、10センチもズレたら仕舞うことができなくなっています。そして、そこが面白い。
久しぶりに御車を出して、御車や法被、幟を虫干ししました。
長く続く祭りがある幸せ。
300年も続く祭りが地元にある幸せ。それをどれくらいの人が感じているのか。歴史は作ろうと思って作れるものではありません。一日一日、一年一年を紡いできて、初めて歴史になるんですよね。コロナの中止により、大谷の祭りは完全に危機を迎えています。歴史を途絶えさせないためにも、令和5年、来春の祭りがとても重要になります。