第三回とこなめ山車祭りに参加してきました。僕は常滑市大谷の東櫻車(とうおうしゃ)という御車(山車)の大行司(総責任者)としてになります。
実は台風19号の影響で、ラグビーワールドカップのニュージーランド対イタリア戦がキャンセルになった次の日に開催ということで、三日ほど前から、参加するのかしないのか、葛藤の日々を送りました。雨が残ったら御車を曳くわけにはいかないし、風が強ければ運搬に支障が出ます。当日の朝まで参加の可否は決められませんでした。僕自身には三つの気持ちがありました。大行司としては、同じ大谷の蓬莱車が参加しないと決めたのに、東櫻車だけで参加するべきなのか。二台で大谷の祭りなのにという気持ちが一つ。同じく大行司としては当日に向けて、きちんと準備してくれた若衆の心意気に応えてあげたいという気持ちはあるけど、台風の吹き返しが強い今、御車を持っていって組み立てることが、安全面からも物理面からも可能なのか。そして、個人的には神様に乗っていただくべく御車を、イベントの見世物とすることへの抵抗。本当に難しい判断を強いられました。
朝4時に実行委員会から連絡があり、予定通りに開催されるとのことでしたが、実行委員会はうちの事情なんて考慮しません。5時に鞘蔵に集まってもらい、風が強すぎる場合は、向こうに行ってから帰ってくるかもしれないという旨を話して、出発しました。
大谷から会場までは最短距離でも7km。高さ制限で通れないところを避けていくと10km近くになり、坂道もあるので、曳いていくとなると最低でも4時間はかかるので、トレーラーで運搬することになり、さらにトレーラーに載せるためにレッカーで吊る必要もあります。
僕は上山の部品を積んだトラックを運転して、トレーラーの後を着いていきました。
いろいろとありましたが、なんとか作業できそうな風なので、組み立て開始です。
みんな手際よく作業してくれたので、1時間半ほどで組み立て完了です。トレーラー輸送組の中では、デカいので目立ちます。
こっからはイベントなのであれやこれやとありながら入場します。
そりゃあ、並べば壮観ですよ。でもイベントなんですよね。本当の意味では祭りじゃない。複雑なもんです。
写真の一番左が東櫻車。デカいからか、観にくる人が多かった印象です。
三番叟のときは、いつもと場所が違って音が散ってしまいそうだったので、急遽、笛を吹きました。やるべきことはやります。っていうか、大行司で笛を吹くって普通は無いし、そもそも、法被を着ません。
退場のときは舞台の上にいた市長、衆議院議員、県会議員に塩をぶっかけてやりました。マジでぶっかけるという量。お盆に一杯の塩。大谷の祭りなんだから、当然のことです。
再び上山をバラし、トレーラーに積む頃には真っ暗です。持ち帰って組み立てて、鞘蔵に仕舞いおわったころには21時。朝4時から21時過ぎまでと、本当の祭り以上の長丁場でした。
翌日は雨模様の中を片づけ。御車を出すということは簡単なことではありません。若衆も頑張ってくれました。
僕の思いとしては、若衆が楽しそうにしてくれたので、やっぱり行って良かったかなと。でも、やっぱり複雑な気持ちです。まあ、この複雑な気持ちは無くならないのかな。僕が真面目すぎるのかもしれないし。祭りにはいろんな意味があって、神事というだけではないのも本当だしね。次は令和五年。皇紀2684年です。