葺き替えの見積もり依頼を頂きました。お宅に伺ってよくよく聞いてみると、きっかけはブログを読んでもらったことでした。依頼はうちだけでなく、いつもお世話になっている半田市の鍼灸院、ワダハリニックさんにも訪れて、治療してもらったとのことでした。
ここまでなら、よくあることなのですが、いつもと違うのはブログに辿り着いた経路です。普通は「常滑 屋根」とか「常滑 瓦」とかで検索して、ブログを訪れてくれる人が多いのですが、今回のお客さんは『銀古美(ぎんふるび)』という瓦から辿り着いたとのこと。銀古美は僕が勝手に同志だと思っている、淡路は大栄窯業㈱の瓦師、道上大輔さんの作る美しい瓦で、なかなか普通の人の目に入るものではないはず。どうして銀古美を知るに至ったかは聞いていませんが、美しいものを見つける人っているんですね。
僕も何度か見積りを出してはいるものの、なんせ日本最大の瓦の産地、三河がすぐそこにあるので、三河の瓦で決まり、銀古美を使うには至っていません。愛知県で淡路の瓦を使おうという葺き師なんて、僕くらいしかいないし、そもそも道上さんや、道上さんの作る瓦を知らないんですよね。お客さんはどうしても銀古美を使いたくて、銀古美を扱っていそうなところを探した結果としてうちに辿り着いたわけです。
知多半島の人が淡路の瓦を気に入り、巡り巡ってうちに辿り着いてくれる。面白い時代です。