トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

アドベンチャーレースを舞台にしたサスペンス小説「ランニング・ワイルド」

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

 

ずーっと本を読む時間をとれずにいて、ストレスと本が溜まっていましたが、久しぶりに読書できました。とはいえ、何日もかけて少しずつ読み、やっと読了した感じで。

今回、読んだのは『ランニング・ワイルド(堂場瞬一著)』です。

堂場瞬一といえば、警察物と長距離走物が得意な作者。その得意な二つを掛け合わせた作品がランニング・ワイルドです。

舞台は広島県の『とびしま海道』。有名な『しまなみ海道』の隣にある、八つの島を結ぶ橋の道です。

とびしま海道〜海・島・橋〜観光情報 | 下蒲刈・蒲刈・豊浜・豊・関前の地域間交流と連携を推進

さらっと書きましたが、僕はとびしま海道を知らず、本作で初めて知りました(笑)なかなか面白そうなので、今度、行ってみたいと思います。

とびしま海道を使って開催される『とびしま24』というアドベンチャーレースに参加する、警視庁の『チームP』リーダー、和倉の電話がスタート直前に鳴るところから、物語は始まります。アドベンチャーレースというのは、ランニング、カヤック、自転車等を組み合わせて行われる、おそらく世界で最も過酷な超長距離耐久スポーツで、海外では一週間もかけてレースが行われることがあります。レース当日に地図を渡され、自分たちでルートを選択して進みますが、チェックポイントが道の無いところにあることも当たり前。ひどいものだと落書きのような地図を頼りに行動することもあります。レース中の補給はもちろん、眠る場所も時間も選手で決め、時には歩きながら、走りながら眠る選手もいるようです。日本ではアドベンチャーレースのチームといえば、日本百名山一筆書きの田中陽希が率いる『イーストウインド』が有名です。

『24』は制限時間が24時間なので、アドベンチャーレースとしては小規模。とはいえ、24時間行動し続けるし、時間が短い=ペースが早いというのが長距離スポーツの常なので、限界に挑むことに変わりはありません。第一回とびしま24の優勝を狙うチームPのリーダー、和倉の携帯電話に「家族を預かった。レース中にあるものを回収すれば解放する」という脅迫があり、家族を守るために、過酷なレースがさらに過酷なものになっていきます。

 

最初は設定に無理があるんじゃない?と思っていましたが、きちんと伏線が敷かれている辺りはさすがの堂場瞬一。サスペンス、警察物のとしての面白さはもちろんのこと、アドベンチャーレースというマイナースポーツの魅力も伝えてくれています。国内で開催されるアドベンチャーレースの情報を調べたのは言うまでもありません(笑)だって、トレイルランニング、バイク、カヤックって、僕のためにあるようなスポーツでしょ(笑)

 

普通のサスペンスでは物足りない、そしてちょっと変わったスポーツに興味がある人はぜひ。