屋根の葺き替えをすると、多くの場合で野地板(下地の板)も交換することになります。地域性もあると思いますが、うちの辺りではほとんどの場合、野地板がびっしり敷き詰められておらず、数センチの隙間が空いていたり、あるいは竹を割ったものが敷かれ、その上にムシロが敷かれていたりと、とてもではないけど、現在の施工方法に対応していないし、何よりも傷んでいるので交換ということになります。
野地板や、野地板がのせられている垂木は、檜や杉が使われることが多いのですが、時代と共に色が変わっていきます。元々はいわゆる木材の色だったのが、黒くなっていくんです。垂木のように50mm以上の太さがあると、野地板のように傷んでいることはあまりなく、葺き替えのときもそのまま使ったり、あるいは傷んでいるところだけ交換することが多くなります。
数十ぶりに交換された野地板と、交換されない垂木だと色が違ってきます。
ずっと屋根を支えてきた垂木や母屋、梁と、新しい野地板の色。
僕はなぜかこの新旧のコントラストが好きです。なんていうか、融合感がありませんかね?世代は違うのに、すでに馴染んできている感じ。すごく美しく感じるんです。コンパネとかだと、こうはいかないんですよね。
簡単に建て替えせず、使えるものは使って次世代に受け継ぐ。だからこそ生まれる美しさの一つだと思います。