トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

屋根の葺き替えで生まれる木材のコントラスト。次世代に受け継ぐからこそ生まれる美しさ。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

 

屋根の葺き替えをすると、多くの場合で野地板(下地の板)も交換することになります。地域性もあると思いますが、うちの辺りではほとんどの場合、野地板がびっしり敷き詰められておらず、数センチの隙間が空いていたり、あるいは竹を割ったものが敷かれ、その上にムシロが敷かれていたりと、とてもではないけど、現在の施工方法に対応していないし、何よりも傷んでいるので交換ということになります。

 

野地板や、野地板がのせられている垂木は、檜や杉が使われることが多いのですが、時代と共に色が変わっていきます。元々はいわゆる木材の色だったのが、黒くなっていくんです。垂木のように50mm以上の太さがあると、野地板のように傷んでいることはあまりなく、葺き替えのときもそのまま使ったり、あるいは傷んでいるところだけ交換することが多くなります。

 

数十ぶりに交換された野地板と、交換されない垂木だと色が違ってきます。

f:id:yoshikixx:20220411153629j:plain

f:id:yoshikixx:20220411153645j:plain

ずっと屋根を支えてきた垂木や母屋、梁と、新しい野地板の色。

f:id:yoshikixx:20220413202054j:plain

f:id:yoshikixx:20220413202108j:plain

f:id:yoshikixx:20220413202122j:plain

僕はなぜかこの新旧のコントラストが好きです。なんていうか、融合感がありませんかね?世代は違うのに、すでに馴染んできている感じ。すごく美しく感じるんです。コンパネとかだと、こうはいかないんですよね。

 

簡単に建て替えせず、使えるものは使って次世代に受け継ぐ。だからこそ生まれる美しさの一つだと思います。