二度目の雨漏りを見に行く。
半年ほど前に雨漏りを修理したお客さんから、また雨漏りしたという連絡を受けて、至急、行ってきました。こんなときは「何か不具合があったんだろうか?」と、心配で仕方ないのですが、雨漏りの箇所を見せてもらうと、完全に別の場所でした。お客さんにとっては困り事ですが、僕は少しだけ安心します。
室内で雨漏りの箇所を確認すると、かなりの量が入っていることが分かります。場所的には谷と言われる、建物がL字になるときには、必ず生まれる板金を使った場所になるはず。
ステンレスの谷板だが、しかし!
ところが、この家の谷板は10年以上前に、銅板からステンレス製に交換されていて、穴も開いていません。雨漏りしている辺りの瓦をめくってみても異常なし。いったいどうしたことかと、谷板をよくよく見てみると、横向きに2センチほどのスジが入っているのを発見。
爪で触ってみると引っかかる感触があります。どうやら裂けているようです。この亀裂から水が入っていくかどうかを確認するために、屋根上にホースを上げて水を流してみます。
屋根裏でびっくり!
屋内では水が確認できませんでしたが、屋根裏に入ってみるとびっくり。すでに野地板がかなり傷んでいます。
そして天井もすごいことに。
数か月前にも屋根裏に入って全体を一通り確認したときは、こんなふうになっていなかったのに。野地板が傷んでいることにより、谷板の裏を触れる状態になっていたので触ってみると、しっかりと濡れていました。これであの亀裂が原因であることは間違いないでしょう。
どんな材料も正しい施工を。
ステンレス=錆びにくいというイメージがありますが、扱いを誤ると耐用年数を待たずにダメになることがあります。一方で銅板は酸性雨には弱くて、穴が開くことがありますが、ステンレスよりも柔らかいので、曲げたときにも裂けにくく、瓦等の他の部材に馴染みやすいという特徴もあります。一長一短、適材適所、そして正しい施工ですね。