トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

裂けたステンレス谷板からの雨漏り。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

二度目の雨漏りを見に行く。

半年ほど前に雨漏りを修理したお客さんから、また雨漏りしたという連絡を受けて、至急、行ってきました。こんなときは「何か不具合があったんだろうか?」と、心配で仕方ないのですが、雨漏りの箇所を見せてもらうと、完全に別の場所でした。お客さんにとっては困り事ですが、僕は少しだけ安心します。

室内で雨漏りの箇所を確認すると、かなりの量が入っていることが分かります。場所的には谷と言われる、建物がL字になるときには、必ず生まれる板金を使った場所になるはず。

谷部と谷板

ステンレスの谷板だが、しかし!

ところが、この家の谷板は10年以上前に、銅板からステンレス製に交換されていて、穴も開いていません。雨漏りしている辺りの瓦をめくってみても異常なし。いったいどうしたことかと、谷板をよくよく見てみると、横向きに2センチほどのスジが入っているのを発見。

爪で触ってみると引っかかる感触があります。どうやら裂けているようです。この亀裂から水が入っていくかどうかを確認するために、屋根上にホースを上げて水を流してみます。

屋根裏でびっくり!

屋内では水が確認できませんでしたが、屋根裏に入ってみるとびっくり。すでに野地板がかなり傷んでいます。

そして天井もすごいことに。

数か月前にも屋根裏に入って全体を一通り確認したときは、こんなふうになっていなかったのに。野地板が傷んでいることにより、谷板の裏を触れる状態になっていたので触ってみると、しっかりと濡れていました。これであの亀裂が原因であることは間違いないでしょう。

どんな材料も正しい施工を。

ステンレス=錆びにくいというイメージがありますが、扱いを誤ると耐用年数を待たずにダメになることがあります。一方で銅板は酸性雨には弱くて、穴が開くことがありますが、ステンレスよりも柔らかいので、曲げたときにも裂けにくく、瓦等の他の部材に馴染みやすいという特徴もあります。一長一短、適材適所、そして正しい施工ですね。