トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

屋根形状はシンプルに限る。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

 

一見すると遊んでばっかの僕ですが、実は毎日のように屋根に上がり、作業もしています。この日はうちから高速道路で1時間ほどのところで作業しました。

f:id:yoshikixx:20211005163551j:plain

何をしているかというと、屋根の接続部に使われている谷板という銅板を交換しているところです。

f:id:yoshikixx:20211005163700j:plain

銅板に穴が空いています。

建物がL字とかT字に折れている場合、当然、屋根にも折れる部分が出来て、谷という箇所が生まれます。谷は瓦だけでは納まらないので、銅板を使って納めるわけです。が、この銅板というのは、比較的柔らかいのもあり、ずっと同じところに水が当たり続けると、穴が空いてしまうんですね。そうると交換になるわけです。上の写真みたいに、何段も積んである棟を解体し、谷板を交換することになります。ちなみに現在の谷板はステンレスやガルバリウム鋼板を使うことが多いです。

 

金属というのは焼き物である瓦と比較すると、とても寿命が短くなります。長く保ったとしてもせいぜい30年程度。瓦だったら200年だって大丈夫なのに、金属は木造建築住宅の寿命の半分にも及びません。つまり、建物がL字やT字になり、金属が使われていると、どうしても修理、補修が発生してきてしまうということになるわけです。

f:id:yoshikixx:20211005164651j:plain

このお宅は何本の谷があるか、分からないくらい谷がたくさんあります。谷があるということは、いつか必ず余分な工事が発生するということです。立地条件により、どうしてもL字、T字の建物になってしまうことはありますが、できる限り、シンプルな屋根にすることをオススメします。

 

そして、屋根が金属、板金だと、どういうことが起こるかってこと、なんで僕が瓦を薦めるかってことも想像してもらえたらなと思います。