トライアスリート屋根屋兼遅咲きなんちゃってトレイルランナー、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。
当日は朝3時に目覚ましを掛けましたが、2時半くらいには目が覚めてきてゴソゴソ。寝坊するよりはマシ。3時に目覚ましが鳴ってから起き上がり、ホテルが用意してくれたお弁当を食べて準備します。準備は前日にほぼ済ませてあるので、4時前には全てが終わり、もう一度布団に入ります。25分ほどウトウトしてから、もう一度起きてホテルを出発。玄関を出るとめちゃくちゃ寒い。周りにはすでにTシャツと短パンのトレイルランナーがいますが、とりあえずダウンを着ていて良かった。ホテルからスタート地点までは歩いて5分ほど。道路はすっかり凍っていて、自動車は上り坂で滑っています。まだ10月なのに。
スタート地点に着くと、昨日はあったエアゲートがありません。寒さで凍ってしまい、空気を入れた途端に割れてしまったとのこと。前回大会では暴風雨で飛ばされ、今回は寒さで割れる。さすがエクストリームトレイルです。
気温はマイナス。前日とは打って変わって雲の無い空は放射冷却を起こし、志賀高原エクストリームトレイル史上、最も気温が低いスタートになったようです。とにかく寒いので、短い距離を往復しながらアップします。5時ちょうどのスタートはAブロック。上田瑠偉をはじめとする、強力なプロトレイルランナーと、彼らに引けをとらない強豪のアマチュアたちです。それにしても、スタート前、ど真ん中に陣取る上田瑠偉の存在感たるや…。
カウントダウンの後、5時ちょうどにスタート。のっけから上田瑠偉が先頭に立ちます。
ここで上田瑠偉を知らない人のために、上田瑠偉の紹介を少し。彼は陸上の名門校に入学するも、故障続きで満足に走ることすらできずに高校を卒業し、早稲田大学在の陸上競技同好会所属中にトレイルランニングを始めました。デビュー戦でいきなり大会新記録で優勝、その後はあらゆる大会で優勝、あるいは好成績を残し、2019年にはスカイランランニング(垂直志向が高く、標高の高い山が舞台になるトレラン)のワールドシリーズで、アジア人初の年間チャンピオンになったという、現在、世界最強トレイルランナーの一人です。ソニーのスマホ、XperiaのCMにも出演したことがある、今年で27歳の小顔イケメンです。
3分おきのスタートなので、Eブロックの僕は5時12分にスタート。下は短パンですが、上はレインジャケットを着たまま。おおかたの人は同じような服装です。最初に目指す正面の山頂までの距離は約5キロで標高差は約600m。ペースを上げすぎないように、両手に持ったポールをリズム良く突いて登ります。
振り向くと後続のランナーたちが放つ光が帯となり、闇を照らしています。
登っているスキー場の斜面は寒さに凍り付いていますが、人がたどったコースだけは溶けて緑色になっています。
山頂まで半分ほどの高度を上げたときにふり返ると、遠く雲海が広がっていました。選手の多くが足を止め、スマートフォンで写真を撮っています。タイムを競う大会にもかかわらず、写真を撮って楽しむ余裕があるところが、トレランに出場している人たちの素敵なところです。
スキー場の斜面から登山道に入ると、雪が足元に現れだします。スタート前にコースプロデューサーの山田さんが「山頂は雪が15センチも積もっていますよ!」と楽しそうに言っていたので覚悟はしていました。
高度を上げていくと雪は多くなってきますが、意外と滑らなくて悪くありません。
56分ほどで標高差600m、距離4キロほど横手山の山頂に到着すると、そこは完全に雪景色でした。
選手全員がアホなので、みんな笑顔です(笑)
山頂から観える紅葉と雪と雲海の美しさたるや…。
こんな景色を観たのは初めてです。
坂を下りながら、みんなキャーキャーと喜んでいます。
選手同士で写真を撮りあいますが、写真ばっか撮っていて進みません。
だって綺麗なんだもん。
紅葉と雪と朝焼けってなんだよ…。
しかし、最高に楽しかったのはここまで。ここから数百メートル走ったあとに、エクストリームトレイルはいきなり牙を剥きます…。
長くなったので続きます。