トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

完全に宙に浮いているのに落ちない瓦をレスキューした件。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

 

書くべきか否か、不安を煽るようでかなり迷いましたが、やっぱり書くことにしました。

 

日曜日の早朝、7時前のことです。リフォーム屋さんからLINEが入りました。日曜日のこんな時間になんだろうと思いながら開いてみると、瓦が落ちかけている写真でした。

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最初に見たときは、どんな状況なのかまったくわからず。いや、浮いとるやん…。普通は落ちている状況でしょ。なんで落ちないの?

 

日曜日だけど、ほっとくわけにもいかないので、現場に行き、屋根に上ってみるとこんな感じ。

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重力を支配する者が落ちないようにしてくれていたわけではなく、ディオや承太郎のスタンドが時を止めたわけでもなく、瓦を固定する釘が打たれている薄い木材が、なんとか持ちこたえている状態です。どうやったら持ち上げられるのかわかりませんが、とりあえず真ん中あたりの瓦に手をかけ、少しずつ持ち上げると、他の瓦も一緒に上がり、なんとか元の状態に。そこからは足で瓦を押さえつけながら釘を抜き、一枚ずつ救出。事なきを得ました。

 

それにしても、問題はこんなふうになった原因です。本来であれば、破風という木材にルーフィングという防水シートをかぶせないといけないのが、まったくかぶせていないことと、さらに施工されているはずの捨て谷水切板金が無いこと。この二つが原因で、入った水が下に排出されず、木材を腐らせてしまい、瓦が固定されなくなってしまったんです。瓦が落ちなかったのは不幸中の幸いですが、落ちていたらとんでもない事故になるところでした。

 

 普通の施工であれば破風にはルーフィングをかぶせてあるし、捨て谷水切板金も施工されていますが、業者によってはやっていないことがあるみたいです。安かろう悪かろうってことです。