トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

世界最古の企業『金剛組』の現場を通りがかり、大切にしたい技術と歴史を考える。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

 

大阪に行ったときです。駐車場に車を置いて歩いていると、お寺の改修工事をしている現場が目に入りました。f:id:yoshikixx:20200127175514j:plain

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看板には『金剛組』の文字があります。

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金剛組

『飛鳥から未来へ』と書いてありますが、金剛組の創業は西暦578年。最初の元号である大化よりも前なので、なんと元号はありません。皇紀だと1238年。2020年の現在から1442年前の創業になり、日本だけでなく、世界で最も歴史のある企業です。いわゆる宮大工の職人企業として、現在も約120名の宮大工を抱えているらしいです。

www.kongogumi.co.jp

東京商工リサーチによる数年前の調査では、日本の100年企業の数は33,069社。 200年企業は3,146社、500年が32社。1000年以上が7社もあるそうです。世界中の200年企業数が5,586社なので、半数以上が日本企業ということになります。うちは入っているのかな?企業扱いされているのかわかりません(笑) 僕が四代目で今年で108年になります、と言うと、100年超えてるなんてすごいね!と言っていただけることが多いのですが、上記の数字を見ると、全然大したことないなと思います。年数が、というよりも100年企業だけでも33,069社もあるわけですから、そのうちの一つで、しかもちっさい会社なので、なんというか、そのうちの一つに数えられるのがおこがましいというか、恥ずかしいというか…。

 

実は金剛組は一度、資金繰りが悪化して、高松コンストラクションから支援を受け、新会社として事業を継続したという歴史があります。こんなにすごい歴史と技術のある企業が、特に社寺建築の歴史と技術というのはイコールに近いものがあると思うんですけど、そんな会社が経営危機に陥るという、日本の建築や職人に対する考え方を寂しく思います。

せっかく歴史ある国に生まれ、素晴らしい技術を継承してきた民族なんだから、特に環境問題が叫ばれる昨今なんだからこそ、見直してほしい、大切にしてほしい技術があります。