連休の旅はキャンピングカーなので、基本的には車中泊です。身長180cmの僕が足を伸ばして寝られるので、快適なものなのですが、やっぱり宿に泊まるのとは違います。で、だいたいどこかで一泊だけ温泉宿に泊まりますが、今回は旅の最終日に秩父で宿泊しました。『御宿 竹取物語』です。
外観はアレ?と思うほど小さくて、一泊三万円もする宿には見えませんでした。駐車場らしいスペースがなく、車を玄関の前に寄せると、仲居さんがササッと出てきて、駐車する場所を案内してくれます。犬が好きらしく、車内の小夏さんを見てニコニコしてくれました。建物の玄関も小さくて、おやおや?と思いながら受付を済ませて、部屋の方に案内されていくと、なぜかバースペースがあり、けっこうな充実具合。夕食後に主がカクテルを作ってくれるらしいです。
さらに地ビール4種類が飲み放題。到着した瞬間から酔っぱらえます(笑)
部屋は八畳のこぢんまりした部屋ながらも、とても清潔に保たれています。小さなちゃぶ台の上にはこんなものが。
まあ、お茶菓子くらいはね。そりゃありますよ。しかし、さらにこんなお茶うけがあります。
漬物や金山寺味噌等がたくさん。そしてこれが全部美味い。完璧な漬かり具合で食べごろ。
温泉はすべて貸し切りの家族風呂が3つのみですが、一日限定7組なので、ほぼ待つことはなく、内湯と露天風呂で温度が変えてあり、ゆっくりすることができました。
お待ちかねの夕食は食堂ですが、壁が塗ってあり、ピアノが設置され、ノラ・ジョーンズが流れています。
テーブルに置いてあるお品書きを見ると、かなりの品数です。
前菜がこれ。
五品すべてが美味い。これはヤバい。
くるみ豆腐もめちゃくちゃ美味い。
いかん。出てくるものがすべて美味い。驚きです。
一杯だけ飲んだワインは兎田ワイナリーの蔵出しワイン。
シャインマスカットで作られていて、宿が樽で仕入れ、無濾過、空気に触れないまま、グラスに注いで提供されます。甘口ですが、とてもフレッシュでフルーティー。これも美味かった。
肉も美味い。さっきから美味いとしか書いていないけど、美味いんだから仕方ない。僕が最も驚いたのがこれ。
主の手打ち蕎麦。そこいらの蕎麦屋よりも美味い。僕はこの辺りで体調が悪くなってしまって残してしまいましたが、とにかく美味かった。この蕎麦だけでも食いたいくらい。その後の岩魚の炊き込みご飯やデザートも完璧。料理旅館の面目躍如といったところ。もうずっと感心しっぱなしでした。
こんなふうですから、朝食は言うまでもなく、素晴らしものでした。
余談ですが、みなさん動物好きらしく、うちの車に小夏と葉月がいるということを聞いたスタッフが、代わるがわる見に行ってくれたらしいです。足の悪い大女将が杖をついて、わざわざ見に来てくれたときに、僕が偶然、車に戻ったら「猫も欲しいんだよね。かわいいねぇ」とニコニコしていました。そういう感覚が我が家と合うのも、良い宿だと感じた要素の一つかもしれません。
今回は疲れからか、途中から体調がすぐれず、残してしまいましたが、味、量ともに大満足の料理を出していただけました。一泊三万円はお正月料金なので、普段はそこまでしないらしいです。ここは一泊する価値有りです。