僕が名古屋市千種区の(資)岡戸建材店さんで修行させたもらっていたのが、1995年、1996年あたりなので、24年くらい前。その当時、工藤公康、山崎武司、イチローを輩出した愛工大名電の近くを車で走っているときに見かける古い建物がありました。23歳の竹内青年は、その前を通り過ぎるたびに「ここは数十年前に店を閉めた喫茶店かなんかだな」と思っていたものです。
時は過ぎ、2018年のある日。トライアスロン仲間の白井さんが「千種にあるカレー屋が美味いんだよー」と言っていて、場所を教えてもらったら、そこはまさしく、あの「数十年前に閉めた店」と同じ辺り。あの辺りにそんな店があるんだーとグーグルマップで調べてみると、画像が出てきました。
それは、まさしくあの店。竹内青年が「数十年前に閉めた店」だと、認識していた、あの店でした。二十数年前に「数十年前に閉めた」と思っていた店が、未だに営業しているという事実に驚愕しました。
後日、僕は意を決して『カレー幸』を訪れました。
そう。まさしくこの店だ。これこそ、竹内青年がそう思った店です。
看板はバリバリ。
入口のカーテンはボロボロ。入るのに躊躇が必要なのは一目瞭然。ばいーんと音を立てながら扉を開けると、デザインがバラバラの椅子やテーブルが並んでいて、お客さんがたくさんいます。
メニューはカレー350円(だったかな?)やカツカレー490円(くらい)と激安。そういえば白井さんが「カレーだと儲からないから、カツカレーを食え」と言っていたっけ。カツカレー大盛りを注文し、待つこと数分。出てきたのは、なぜか紅しょうがが乗っているものの、まさしくカレーライス。
さらにサラダまでついてくる。一口、頬張ってみると、甘口ながら美味い。玉ねぎをしっかり炒めてあるっぽい。とにかく美味い。カレーライスを食ってる!って感じる。どんどん食べ進めて、カレーが少なくなってくると、店のババア(愛を込めて)が「カレー屋なんだから、ご飯だけ食ってちゃダメだよ」と、言いながら僕の皿を取り上げ、カレーを追加してくれる。もちろん無料だ。なんだ、この店は…。
美味いカレーライスをたらふく食い、店の外にでたとき、それはまさしくカレーによる幸せだった。
男女差別の激しい店なので、フェミニスト(笑)は行っちゃダメ。