「アンテナが倒れて瓦が割れたから交換してほしい」と依頼があったので、とりあえず下見に行ってきました。
周りの家もほとんどが瓦の屋根。やっぱりこうじゃないとね。
箱冠瓦には印が押してありました。
自分で大極上で無類の品だと言い切る辺りに瓦師の誇りを感じます。
屋根から下りてお客さんと話していると、奥さんが僕のおじさんの同級生でした。しかも「大正4年にあんたのとこに葺いてもらっただよ」とのこと。大正4年というと西暦1915年で、今から103年前。僕のじいちゃんが大正元年生まれなので、ひいじいちゃんが葺いたってことになります。
じいちゃんや父親の仕事を見る機会というのは、よくあるんですけど、ひいじいちゃんの仕事は初めてです。というか、見たことはあるのかもしれないけど、わからないんですよね。
ひいじいちゃんが本家から独立したのがうちの始まり。本家は屋根屋をやめてしまっていて、いつからやっていたのかもわからなくなっています。
ずっと地元で、同じ仕事をしているからこそ、長く家を、家族を守る仕事だからこそ、百年経ってからも、仕事を通してご先祖様を見ることができます。
葺き師っていうのもなかなか良いものです。