トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

瓦の種類その3『S型』

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の竹内です。

 

瓦の種類について、三つ目は『S型』です。

35~30年前くらいが使われたピークじゃないかと思います。住宅にも使われましたが、喫茶店とかの店舗に使われることが多かったですね。

 

S型瓦

スパニッシュ型瓦。S型のSはスペインのSらしいです。

スペインの瓦を改良して、日本の風土に合うようにしたとのことです。

 

なんでスペインから輸入せずに、改良したかというと、スペインの瓦が使い物にならないから(笑)

ヨーロッパの瓦は焼きが甘くて、スカスカで吸水率が高くて、なんと言ってもネジくれまくっていて、とてもじゃないけど、雨が多くて台風も来る日本では使えないんです。もちろん輸入して使っている例もありますが、職人としてはオススメできません(´-ω-`)

 

葺きあがりはこんな感じ↓

いかにも洋風っていう建物には似合います。かわいらしい雰囲気が出ますね。

上の二軒は二色とか三色とかの瓦を混ぜて葺いています。混葺きというのは一見、適当にやっているように見えますが、本当に適当に葺くと、バランスがおかしくなってしまうので、けっこう気を遣います。自画自賛ですが、僕はまあまあ上手に混ぜますね(*´ω`*)

 

数十年前のS型ブームのころの建物を見ると、なにやら古い感じがしてしまいますが、最近のS型は↓みたいに淡い色を出したりして、なかなか良い雰囲気を出しているので、またS型が流行ることもあるかもしれません。。

 

このS型瓦、形状としては雨もしっかり流してくれるし、風にも強いので、機能的にはなかなか良いです。瓦と野地板の空間も大きくとれるので、暑さにも強いと考えられます。

 

けっこう個性的な使い方ができる瓦なので、少し変わった建物と屋根を検討するときには選択肢に入れても良いと思います。

 

ではでは。