瓦の種類について、二つ目は『和型』です。昨日のブログで書いた本葺きは大陸から伝わってきたもので、和型は日本に伝わってきた瓦を、改良して開発されたものです。
最近はめっきり使われなくなってきましたが、瓦といえばやっぱり和型。長きに渡って使われてきたのには理由があります。
和型瓦
最近はJ型とか呼んじゃうみたいですが、和型は和型でしょうよ(´・ω・`)
本葺きと同じく「いぶし」がかけられた銀色は日本の屋根の美しさそのものです。
葺きあがりはこんな感じ。日本の屋根といったらこれでしょう。これは奈良かなぁ。
近頃の設計に合わせるとこんなんとか↓
こんなのとかもオシャレでキマッてますね↓
二十年くらい前までは釉薬を用いた陶器瓦も多く使われていましたが、うちの辺りでは最近はほとんど使われません。日本海側では雪の関係もあって、まだまだ採用されています。
機能面からみたときの和型の凄さは、一枚で水を取りきること。瓦の真ん中に水が流れるように設計されています。もちろん隣の瓦に流す部分はありますが、ほとんどの水を滞らせることなく、下の瓦へと流していきます。
本葺きの場合は受ける瓦と被せる瓦があって、初めて機能するわけですが、和型の場合は一枚で機能を果たします。雨の多い日本において、これほどの重要な機能はありません。
日本中で長きに渡って使われてきたいぶし瓦が創り出すまちなみには、日本ならではの美しさがあります。
↓はオレンジ色の瓦と白い壁に統一された、美しいヴェネツィアのまちなみですが
その気になれば日本のまちなみだって、負けない美しさを取り戻すことができるはずです。いまならまだ間に合います。
日本人は新しいもの好きで、それはもちろん良いことなのですが、本当に良いものを良いと感じる力に長けています。
和型という美しくて本当に良いものを、使ってくれる人が増えるといいな。
ではでは。