梅雨明けしてから全国を局地的な豪雨が襲っていますね。被災された方々の生活が少しでも早く落ち着くといいなと思います。
僕の住む知多半島は今のところ、局地的な豪雨はほぼ無いのですが、それでもたまにドサッと降ったときに雨漏りするという人から連絡をもらいます。
瓦に挟まった土が雨漏りの原因だったりする
昔の家の瓦は、土で葺かれています。接着剤だったり、瓦のねじれを殺したり、断熱したりというのが、瓦の下にある土の役目です。
昔の瓦は本当にねじれがひどくて、土を使わないと、上手に隙間なく葺くということが難しかったんです。ねじれの小さな今の瓦しか触っていない僕みたいな職人が、80年前の瓦を葺こうとしても、まったく歯が立ちません(-_-;)昔の職人さんというのは、素晴らしい腕を持っていたんだと感心します。
そんな素晴らしい腕を持った職人さんでも、時には失敗もあります。今回の雨漏りの原因は、職人さんの失敗じゃないかなと思います。
ぱっと見では全く雨漏りするようには見えない屋根。家の中で雨漏りの箇所を確認した通りに、この辺りかなと目星をつけて何枚か瓦をめくってみたら、瓦と瓦の重なっている部分に土が挟まっていました。
拡大すると
このへんと書いてある辺りまで水の影響があるります。こういうのを判断するのって、雨漏りをたくさん見てきた人じゃないとわからないんですけどね(^_^;)
なんで土が挟まっていると雨漏りするかというと、毛細管現象っていうやつなんです。ほそーい隙間を水が遡っていく現象。土の場合だと単純に水が染み込むので、それで水を大量に引っ張り込むこともあります。
いずれにしても、今回の雨漏りの原因はこれだと判断して、土を掃除して、瓦を戻して終わり。お客さんには二、三回は雨のときに様子を見てねと伝えました。
二十数年前、まだまだ土葺きが残っていたころ、親方から「絶対に土を挟まんように葺け」と言われたもんです(´・ω・`)シミジミ
この家を新築で葺いた職人さんだって、土葺きをさせたら、僕よりも遥かに腕は良いし、土を挟まないことなんて、わかっていたはずですが、それでも稀に失敗してしまうことがあるわけで。でも、それは人間だから仕方ないことなんですよね…。
土葺きの現場というのは、もうほぼありませんが、そのときの知識は未だに生きて、役立っています。
でも、僕の世代が最後の土葺き世代。これから先、こういう雨漏りの修繕はどうなっていくのかなと、疑問に思った現場でした。
ではでは。