トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

ちっさい瓦を発見

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の竹内です。

 

修理に出していたバイクが、ついに戻ってきます(ΦωΦ)デラウレシイ

戻ってきたら、まずは軽くローラー台ですね。

 

小瓦。読んで字のごとく小さい瓦があります。

雨漏りがするということで、修繕の見積を依頼されて、現場に行ってみると、敷地内に古い土蔵がありました。

壁はもうボロボロになってしまったようで、スレートや板金で覆われてしまっていましたが、瓦は修繕しながらも古いままでした。

築年数不明ながら100年以上になる土蔵。お客さんによると、伊勢湾台風のときには、その土蔵に逃げ込んだことがあり、ビクともしなかったそうです。

 

で、その土蔵に使っている瓦は、土蔵としては標準的なものだったのですが、扉の上の霧除けだけは違う瓦を使ってありました。

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100枚判で石持軒瓦(こくもちのきがわら)仕様です!

 

いや80枚判かなぁ…。遠いので、はっきりわからないんですけどね、とにかく小さい瓦だってことです。

ちょっと解説すると、和風の普通の瓦は一坪あたり53枚使う53枚判という大きさなのですが、小さい瓦で一坪あたり80枚を使う80枚判や、100枚を使う100枚判という瓦があるのです。

で、この小さい瓦というのは、門みたいな、屋根自体の面積が小さい建物に使うことが多いのですが、なぜ、小さい瓦を使うのかってのは、また別の機会に。

 

なぜか小瓦が使ってあるこの霧除け。石持軒瓦が使ってあります。上の段に使ってあるのが、万十軒瓦という普通の軒瓦なのですが、どこが違うかというと、丸い部分に膨らみがあるかどうか。万十は膨らみがあって、石持は平ら。その違いだけなのですが、石持のほうがスッキリして見えて、洒落ているわけです。

 

さらには

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刻み袖です!

小瓦の刻み袖なんて初めて見ました…。

刻み袖っていうのも、普通の袖と比べると、枚数が多く必要で、すり合わせるのに手間がかかるので、これも洒落ですね。

 

僕がバシバシと写真を撮っているので、お客さんが不思議がっていました(笑)が、説明すると、なるほど!そんな洒落とるのか!と喜んでもらえました。

 

ちなみに、庇の屋根も刻み袖。

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この辺りは土蔵の標準仕様ですね。ただ、比べてみると、奥の瓦の小ささがわかると思います。

 

なんか良いものを見たって感じでしたね。

 

ではでは。