トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

大谷祭礼・曳初めの流れ 前半

 

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

5時

曳初め(祭初日)の朝は幟を揚げるところから始まります。時間は5時。ただ幟を揚げるだけでなく、囃子を鳴らしながら御車、東櫻車(山車)を、鞘蔵(山車のしまってある蔵)から出し、囃子を『せめ』という曲に替えてからになります。

朝5時

一口に幟と言っても、高さ15m近い幟を人力で揚げるので、けっこう大変です。二本の幟を揚げてから、一部の囃子担当を残して、一旦、うちに帰り、それぞれの決められた時間までに着替えて集合します。

~10時30分

僕は10時半の出山(鞘蔵のある敷地から外に出ること)に合わせて、のんびりと9時半くらいに到着しました。

ワクワクしながら待つ時間。

大谷の祭では囃子方は姿を見せないのが粋とされていて、ずっと山車の中にいます。

囃子方。基本は笛四人、小太鼓二人が下山で、大太鼓三人が中山。

出山前の位置はこんな感じ。ちょっと前に出てから、一気に下がります。曲は早神楽。

撮影している僕のところまで下がってきて、直角に切り(曲がる)ます。

10時30分 出山

10時半になったら、再び曲を早神楽に替えて敷地を出ます。左に切って八幡社に向かいます。

11時 入山

八幡社の手前で一旦、御車を停めて、曲をせめに替えて八幡社に入ります。入山(いりやま)と言います。

八幡社の中で定位置に着けるために、何度か前後させます。

位置が決まったら綱を巻きます。

続いて大谷のもう一台の御車、蓬莱車が入山します。

蓬莱車は東櫻車の右側に入ります。

位置が決まると大量の塩が撒かれます。決まらなくてもずっと撒かれます。

御車の位置は、とにかくギリギリまで寄せるのが基本。めちゃくちゃ難しいし、数年に一度くらいの割合で、ちょっとこすります。

これでも離れ気味。

大谷の祭の特徴は大量の塩まきと、御車をばちばちに寄せるところ。山車祭をやっている人なら、土の上でこれだけ寄せるのが、どれほど難しいことかわかると思います。

12時半の出山までは、6人ほどの班に分かれて、大谷の各家を伊勢音頭を歌いながらまわる『祝いこみ』を行います。

12時30分 出山

12時半、出山です。八幡社建て替えのときに、地面がふかふかになってしまったので、御車がハマりました。

八幡社から出ると、狭い道を進んでいきます。

13時15分 モリの弔い

二年ほど前に逝ってしまった仲間の家の前で御車を角付け(家の方向を向けること)して、全員で伊勢音頭を歌って弔いました。仲間の弟夫妻も喜んでくれて良かった。モリも喜んでくれたはず。僕は歌っているのを見ているだけで泣けてくるので、カメラだけ向けて下を向き、撮影することしかできませんでした。

14時

御車はずずっと進み、うちの近くに。その先にあった歩道橋が撤去されたことで、初めてうちの前を御車が通ることになり、めちゃくちゃ時間に余裕があったので、親方に「時間があるから、ついでに祝いこみしていって」と言ったら、なんと角付けまでしてくれました。もうね、感無量です。みんなありがとう。

14時30分

14時30分。御車が通りに戻ってきます。ちなみに僕の役割は撮影ではなく、御車をタイミングを指示すること。細かく切るところと、90度以上を一気に切るところがあり、ちょっとしたズレで事故が起こるので緊張する役割です。で、ついでに撮影します。

長くなったので次のブログに続きます。