5時
曳初め(祭初日)の朝は幟を揚げるところから始まります。時間は5時。ただ幟を揚げるだけでなく、囃子を鳴らしながら御車、東櫻車(山車)を、鞘蔵(山車のしまってある蔵)から出し、囃子を『せめ』という曲に替えてからになります。
一口に幟と言っても、高さ15m近い幟を人力で揚げるので、けっこう大変です。二本の幟を揚げてから、一部の囃子担当を残して、一旦、うちに帰り、それぞれの決められた時間までに着替えて集合します。
~10時30分
僕は10時半の出山(鞘蔵のある敷地から外に出ること)に合わせて、のんびりと9時半くらいに到着しました。
大谷の祭では囃子方は姿を見せないのが粋とされていて、ずっと山車の中にいます。
出山前の位置はこんな感じ。ちょっと前に出てから、一気に下がります。曲は早神楽。
撮影している僕のところまで下がってきて、直角に切り(曲がる)ます。
10時30分 出山
10時半になったら、再び曲を早神楽に替えて敷地を出ます。左に切って八幡社に向かいます。
11時 入山
八幡社の手前で一旦、御車を停めて、曲をせめに替えて八幡社に入ります。入山(いりやま)と言います。
八幡社の中で定位置に着けるために、何度か前後させます。
位置が決まったら綱を巻きます。
続いて大谷のもう一台の御車、蓬莱車が入山します。
蓬莱車は東櫻車の右側に入ります。
位置が決まると大量の塩が撒かれます。決まらなくてもずっと撒かれます。
御車の位置は、とにかくギリギリまで寄せるのが基本。めちゃくちゃ難しいし、数年に一度くらいの割合で、ちょっとこすります。
大谷の祭の特徴は大量の塩まきと、御車をばちばちに寄せるところ。山車祭をやっている人なら、土の上でこれだけ寄せるのが、どれほど難しいことかわかると思います。
12時半の出山までは、6人ほどの班に分かれて、大谷の各家を伊勢音頭を歌いながらまわる『祝いこみ』を行います。
12時30分 出山
12時半、出山です。八幡社建て替えのときに、地面がふかふかになってしまったので、御車がハマりました。
八幡社から出ると、狭い道を進んでいきます。
13時15分 モリの弔い
二年ほど前に逝ってしまった仲間の家の前で御車を角付け(家の方向を向けること)して、全員で伊勢音頭を歌って弔いました。仲間の弟夫妻も喜んでくれて良かった。モリも喜んでくれたはず。僕は歌っているのを見ているだけで泣けてくるので、カメラだけ向けて下を向き、撮影することしかできませんでした。
14時
御車はずずっと進み、うちの近くに。その先にあった歩道橋が撤去されたことで、初めてうちの前を御車が通ることになり、めちゃくちゃ時間に余裕があったので、親方に「時間があるから、ついでに祝いこみしていって」と言ったら、なんと角付けまでしてくれました。もうね、感無量です。みんなありがとう。
14時30分
14時30分。御車が通りに戻ってきます。ちなみに僕の役割は撮影ではなく、御車をタイミングを指示すること。細かく切るところと、90度以上を一気に切るところがあり、ちょっとしたズレで事故が起こるので緊張する役割です。で、ついでに撮影します。
長くなったので次のブログに続きます。