子どもの頃に、親や先生から「勉強しなさい!」と言われて、素直に勉強した人ってどのくらいいるんですかね?ほぼいませんよね。「今やろうと思ってたのに、勉強しろって言われて、やる気が無くなった!」という、定番のセリフを吐いた人はたくさんいるはず。僕も同じです。「勉強しなさい」も「今やろうと思ってた」も間違いではありません。子どもだって勉強しようと思っているのは本当です。勉強したほうがいいことも、早くやったほうがいいことも分かっているのにやらないだけ。勉強することが正しいことだってことは、よーくわかっています。言われなくたってね。ただ、目の前にある漫画やゲームが楽しいから、正しい勉強を先延ばしにしているだけです。
いろんな業界で「お客さんにとってはこっちのほうがいいのに分かってもらえない」ということがあると思います。これって、上で書いたことと同じであることが多い気がします。お客さんはわかっているのに、選んでいないってこと。なんで選ばないかというと、一方には予算があるでしょうが、他方には「楽しい」「面白い」「かっこいい」「かわいい」「おしゃれ」なんていう理由があると思います。後者のように感覚的に訴えかけるもののほうが、正しいよりもお客さんに響くことがあります。自動車を例に挙げると、普通に使う分には軽自動車で充分なはずなのに、超高級車や無駄にデカい車が売れたりするってことが、それに近いと思います。
ときに「楽しい」「面白い」「かっこいい」「かわいい」「おしゃれ」は正しいより伝わったり、強かったり、超えていったりする。これを意識しないと、うちみたいな仕事は無くなっていくのかもしれません。逆に、どうやったら伝わるのかを考えて、実行することができれば、お客さんに届くことになります。