近頃は昔ながらの和型瓦を使ってくれる現場がほとんどありません。稀にあっても10年くらい前とは施工法が違ったりします。昔はやっていたけど、今はやっていないことってのがあるんです。
今回はそういう施工方法の一つをやってきました。
昔の棟(屋根の一番上のところ)には銅の針金が張られていたのですが、今はやりません。一見すると、棟の銅線は瓦を固定しているようですが、『固定』という意味においては、あまり効果がありません。では、どんな意味があるのかというと、『台風等で瓦が飛んだときに、下まで落ちない』くらいの感じです。で、今回、行ってきた現場は銅線が切れてしまっていたことにより、瓦が飛んでしまっていたんです。なので、銅線をやり直してきました。
まずは銅線の玉を作ります。これも久しぶりに作りました。
で、棟の瓦を積むときに通してある銅線と絡ませて縛っていきます。こんなふう。
茶色いのが新しい銅線で、薄い緑色が古い銅線。新しいのもすぐに緑色になります。
もしかすると30歳くらいの職人さんだと、こういう銅線の施工自体を知らない人もいるかもしれないですね。
なんか俺、おっさんなのかもしれないと思った銅線の夏でした。