トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

お客さんと1400年前の瓦のことで盛り上がる。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

 

僕は5分の屋根の修理のついでに、1時間も屋根の話をすることがあります。最長は2時間でした(笑)まあ、そこまで長く話すことはめったにありませんが、できる限り、屋根について、瓦についてお話をさせていもらいます。話の内容は修理についてはもちろんですが、瓦や他の屋根材の特徴、屋根がまちの風景に及ぼす影響、瓦の歴史等となります。

今回も屋根の修理に伺った家でお客さんとお話しました。下から見た感じの印象を伝え、瓦の寿命の話になりました。

「現在の瓦は寿命が長いので、正直なところ、何年もつかわかりません。200年か300年か、あるいはもっとか。奈良には1400年前の瓦を、未だに屋根の上にのせているお寺があるんですよ。」と伝えると、お客さんからは「元興寺っていうところに行ったときに、友達がそんなことを教えてくれた」という意外な答えが返ってきました。元興寺(がんごうじ)というのは、まさしく飛鳥時代から奈良時代に、日本に瓦が入ってきた当初に建てられ、実際に1400年前の瓦が屋根の一部に残っているというお寺。瓦業界では有名でも、普通の人はほとんど知りません。

そこからは元興寺に使われている本葺きという瓦と、一般的な家に使われている和型という瓦の歴史について話したりして「やっぱり瓦ですよね!」と意気投合。とても良い時間でした。

今回、僕が話しても一人にしか伝わりません。でも、一人に伝わりました。伝えなかったらゼロが、1に変わる。いくらブログに書いても、やっぱり生で話して伝えることとは違います。僕ら屋根屋には伝えることをおろそかにせず、しっかり伝えていく義務があります。