トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

東日本大震災の日に思う、職人育成の大切さ。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

2011年3月11日。そのときは屋根の上にいました。

2011年3月11日は東日本大震災の日。名古屋の高層ビルにいた友達が、ビルが倒れるかと思ったと言っていたので、常滑でも揺れたはずですが、当日の常滑は強風が吹き、すごい急勾配の屋根の上で作業していた僕は、屋根にへばりついて作業していたからか、揺れにはまったく気づきませんでした。材料が足りなくて屋根から降り、トラックに乗ってラジオを点けたときに、初めて違和感を感じました。いつもやっている番組とは違うアナウンサーの声。いったいなんのことだかわからないけど、切迫した雰囲気。トラックで走り出して数分で緊急地震速報が鳴り、慌ててトラックを路肩に停めました。そこでようやく大地震が起こったことに気づき、揺れが来ないことを確認してうちに戻りました。

被災地には何度も訪れるも、慣れることはありません。

数か月後には職人2名を復興支援として派遣し、僕自身も視察に訪れました。初めて災害の現場を訪れたのが阪神淡路大震災の半年後で、その後も台風被害の復興支援に各地に赴きました。そういう意味では普通の職人さんと比べると、経験はあるかもしれません。でも、やはり慣れることはありませんが。

職人の育成は大切なこと。

職人はただの作業をする人ではありません。その環境や現場の状況に応じて、必要な作業をできるようになるのには何年もかかります。瓦葺きの職人は最盛期の半数まで減っています。残念ながら災害は避けることができません。減災技術の向上はもちろんですが、災害が起こったあとのことを考えると、職人の育成も大切なことだと、1月17日と3月11日を迎えるたびに考えます。