2006年に刊行された『風が強く吹いている』三浦しをん著を読みました。

長距離選手が一人しかいない寛政大学陸上部のハイジが、万引き犯を自転車で追いかけ、天才ランナーの走と出会うところから物語は始まります。ハイジの策略にハマり、箱根駅伝出場を目指すことになる竹青荘のメンバーたち。寄せ集めの素人集団は箱根駅伝に出場できるのか。
箱根駅伝に出場するためには、選手一人ひとりが記録会に出場し、一定タイム以上の公式記録を出し、さらに予選会を突破しなければいけません。弱小、寄せ集めの寛政大学のメンバーが5000mで記録を残し、予選を突破する。少しでも陸上をやったことのある人なら、あるいは走ったことのある人なら、それは不可能だとわかっています。でも、僕みたいな凡人は彼らに自分を投影してしまいます。「彼らがやってくれたら、俺にもできるんじゃないか。」
登場人物には走るのが苦手な人もいます。走るのが好きな人も、嫌いな人も、何とも思っていない人も、あるいは箱根駅伝が好きな人も、嫌いな人も、興味がない人も、ぜひ読んで欲しいと思います。
今までも箱根駅伝を見るのは好きでしたが、2020年の箱根駅伝は五区、山登りの最高到達点で実際に応援し、僕から見たらエリートである彼らのガムシャラな走りを目撃し、箱根駅伝をますます好きになりました。
2021年の箱根駅伝までひと月を切っています。『風が強く吹いている』を読んでから見る箱根駅伝は今まで以上に楽しみです。
そして、読書が苦手な人には映画やアニメという手もあるのが『風が強く吹いている』の素晴らしいところ。
ネットフリックスでは実写映画が、Huluでは24話のアニメが配信されています。また、2021年1月1日、2日にはアニマックスでアニメが再放送されるそうです。アニメはかなり出来がいいらしいので、お時間のあるときにチラ見してみてください。ちょっと走ってみたくなるかも。
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