トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

お人よしでいい。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

 

近ごろの仕事で多いのが『雨漏りしていて他のところにも聞いたけど、葺き替えしかないと言われた』というもの。葺き替えするお金が無いとか、10年後に建て替えを予定しているとか、借家だったりとか、いろんな事情で葺き替えはできないけど、雨漏りを止めたいという人からの連絡をたくさんもらいます。

連絡をもらって見に行ってみると、そらまあ、古い建物が多いので、やっぱり完全に直すのは難しいんですけど、雨漏りを止めることは簡単にできたりします。だいたい止まります。止められない、あるいは本当に葺き替えるしかないなんていうのは、年に1軒も無いくらい。

 

なぜ『葺き替えしかない』と『簡単に止められる』の違いが出るかというと、見に行く人が違うからです。当然に感じるかもしれませんが、当然ではありません。具体的になにが違うかというと、職人か、職人ではないかという違い。

うちは零細企業なので、台風や地震等、災害でなければ、必ず職人でもある僕が見に行きます。職人として現場に行けば、僕は「雨漏りを止める」ことを最優先します。ところが、それなりの規模の会社になると、いわゆる営業担当の人が来たりします。営業担当とはいえ、多くの場合は数か月の現場研修を経験したりはするはずですが、わずか数か月で知識や技術を身に着けられるはずもなく、彼らは直せるかどうかの判断ができないので、葺き替えしかないという判断になったりします。

 

さらに、僕は社長でもありますが、売上とは結果であって、目標にするものではないと思っていて、まずはお客さんに喜んでもらいたいと思っちゃいますが、大きな会社の営業担当の人はそうはいきません。ノルマなんて課せられたら3万円の仕事を100件もらうよりも、300万円の仕事を1件、もらったほうがいいってことになるのも本当のところでしょう。

 

 

会社を大きくしていく人から見たら、僕はただのお人よしに見えるかもしれませんが、それでもお客さんに喜んでもらいたいし、職人としての矜持は失いたくない。誇りを失うくらいなら、お人よしで結構だと思います。

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