トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

生産が終わってしまった瓦が割れたときは。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の竹内です。

 

「瓦を割ってしまったので交換してほしい」と、ペンキ屋さんから連絡がありました。瓦というのは焼き物で丈夫なので、そんなに簡単に割れるものではありませんが、やっぱり割れることはあります。割れてしまったのは仕方ないことだし、瓦を割ってしまったという連絡をくれる業者さんは、ちゃんとした業者さんだっていう基準の一つにもなります。

 

ただ、今回の場合は問題が一つありました。すでに生産が終わってしまった瓦だったんです。

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生産が終わってしまっただけでなく、メーカーも他社と合併して、事実上は消滅してしまっています。

 

新築時には葺いた職人さんが数枚の予備を置いていっているはずですが、このお宅にはありませんでした。では、そんなときにはどうするかというと、似た形状で、なんとかハマる瓦を探します。

 

↓うちにある古い在庫の瓦と比べてみても、ちょっと違うので、ハマらない可能性が。

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生産していたメーカーの合併後の会社の瓦を並べてみると、ハマりそうな気配が。

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出たとこ勝負でハメてみると、なんとかハマりました。

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今回はなんとかハマりましたが、絶対にハマるとは限りません。この35年くらいで一気に広まった平板瓦。いろんなメーカーが少しずつ形状を変えて、いろんな種類を作りました。ずいぶんと瓦メーカーも減りましたが、今後は、今回のような問題が増えてくると思います。

 

昔からある和型という瓦であれば、メーカーが変わってもちょっと加工すれば使うことはできますが、平板はそうはいきません。

家は短くても数十年は住みます。建材を選ぶときは、数十年後のメンテナンスも考えて選ぶ必要があります。