トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

築20年を超えたら、S型瓦と平板瓦の棟瓦の留め直しをオススメします。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

 

最近、多くなってきた屋根の症例についてです。S型瓦とか平板瓦の棟(屋根の一番上のとろこ)には冠瓦という瓦が、釘やビスで下地の木に留められています。

f:id:yoshikixx:20201030195322j:plain

今から10年か15年くらい前までは、冠瓦をパッキン付きの釘で留めることがほとんどでしたが、築年数が20年を超えてくると、そのパッキンが劣化し、釘穴から雨水が入ってしまうことがあります。長期に渡って雨水が侵入すると、下地木を腐らせてしまいます。ここのところ、二軒連続で同じ状況でした。

f:id:yoshikixx:20201030195909j:plain

釘が浮いています。

f:id:yoshikixx:20201030195931j:plain

釘は効いていなくて、開けてみると木が腐っています。

f:id:yoshikixx:20201030200019j:plain

これも同じような状況。

こうなると冠瓦を固定できていないので、台風のような強風が吹くと、冠瓦が飛んでしまいます。釘が浮いているのも、瓦が風で何度も持ち上げられたときに、浮いてしまったのでしょう。

黄色いS型瓦が築30年、平板は築20年弱。多くの建物はこうなっている可能性が高いです。S型瓦にしろ、平板瓦にしろ、まだ歴史が浅いので、和型瓦のように工法が完成されておらず、こういった状況になってしまっています。もちろん当時はベストだと考えられていた工法でしたが、現在ではより新しい工法に変わってきています。

 

今後、台風はますます大型化します。瓦が飛ばされる前に、下地木の交換とビス留めへの変更をオススメします。