トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

平板瓦で水の流れについて考える。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

 

年末なので?珍しく平板瓦のことを書きます。うちの近所で数年前に新築の屋根工事をさせてもらったお宅から連絡があり、雨が降ると玄関のあたりに水たまりができるとのこと。なんか、ようわからんけど、行ってみると、屋根の一部だけ水が大量に流れ落ちる感じでした。家の中に雨漏りするわけではなく、外側に流れているので、特にうちの施工ミスというわけではありません。お客さんも数年は気にもしていなかったのが、アルミの通路屋根を建てたら、家と通路屋根の隙間から水が落ちてくることに気づいたそうです。せっかくの通路屋根なのに、水が入ってきたのでは意味がないので、なんとかしたいということでした。

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これまでにも数え切れないほど施工してきて、初めての経験です。家の外側に落ちる水なんてどうすれば良いのか…。

上から下から、右から左からと屋根を見上げること10分ほど。ピンときました。通常、平板瓦というのは、瓦の山の部分で水が左右に分けられながら下に向かって流れていきます。で、下まで流れて雨どいに入るという感じ。

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それが、上の画像のこの部分だけは、真っすぐに水が流れ、袖瓦の上を流れることが判明。へー---、こんなことがあるのか!って感じです。これ、和形瓦だと有り得ないんですよね。平板ならでは。しかも、葺きおろしがあって、平板瓦の山の部分と袖瓦の位置関係がこの辺になったときにだけ起こる現象でした。

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対策として袖瓦と平板瓦の接続部に板金を取り付けて、水が横に流れるようにしました。お客さんによると次の雨では大丈夫だったそうで一安心です。

 

26年ほど屋根屋をやっていますが、まだまだ分からないことがありますね。