3月2日、3日に神戸で第30回技能グランプリが開催されました。あらゆる職種の職人が技術を競う大会です。今回の『かわらぶき』には全国から13名が出場しました。毎年、観に行きたいと思っているのですが、なぜか予定が合わなくて、一度も観に行くことができません。まあ、それはそれとして、今年も熱戦が繰り広げられたようで、Facebook上では多くの仲間が実況してくれました。
優勝したのは熊本の末吉さん。優勝した末吉さんに敬意を表して、写真はすべて末吉さんの仕事を使わせて頂きましたが、みなさん素晴らしい仕事をしました。
これらの瓦の接続部は、全て電動工具を使わずに加工されています。近年ではあまり使われなくなった道具の使用しか認められていないので、全てが手作業で加工されます。瓦はもちろん硬いので、写真のような曲線を出すことは容易ではありません。普段、使うことの無い道具を思い通りに使いこなせるようになるまで、選手たちは半年以上の時間を掛けて、技術を磨き上げていきます。同じ職人という表現を用いるのがおこがましいほど、素晴らしい技術。あるいは職人同士でしか理解できない技術と言ってもいいかもしれません。
僕はこの大会をネットで実況中継して欲しいんですよね。日本一=世界一を競う大会を開催しているのに、それを観ているのが身内だけなんてもったいないと思うんです。愛知県屋根工事連盟青年部の部長をやっているときに、全国青年部に対してネット配信をお願いして、徐々に動きは出てきているようですが、実現には至っていません。どんなに素晴らしい技術を持って、どんなに素晴らしい仕事をしても、誰にも知られなかったら無いのと同じ。特に屋根屋の仕事なんて、近くで見てくれる人なんて誰もいないんだから、せめて、こういう大会くらいは観てもらいたいと思うんです。のんびりしていたら瓦が無くなっちゃいますよ。せっかくかっこよくて凄い仕事をしているんだから、僕らの仕事を観てもらいたいものです。