トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

スーパーじじいに国民栄誉賞を。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の竹内です。

 

僕が石川県の山中をさまよっていたときに、太平洋の真ん中、ハワイ島ではトライアスロンの世界選手権IRONMAN World Championshipが開催されました。

 

トライアスロンの世界では、オリンピックよりもIRONMANのほうが、はるかに上の存在。オリンピックの金メダルではなく、IRONMANのチャンピオンこそが、真の王者なんです。とはいえ、IRONMANには僕も出場するように、プロ以外にも年齢別(エイジ)で普通の人達が出場し、順位を争います。IRONMANの各エイジチャンピオンには、それはもうとんでもないヤツがいて、3.8kmを1時間弱で泳ぎ、180kmのバイクを4時間40分で駆け抜け、42kmのランを3時間で走り切るというバケモノも実在します。

 

そんなバケモノたちすら注目し、尊敬するのが日本人の稲田弘さん(86歳)です。

86歳です。何度でも書きます。86歳です。

以下、写真はIRONMANの公式Facebookページより転載。

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稲田さんは今年のハワイで見事に完走を果たし、IRONMAN完走の世界最高年齢完走記録を更新しました。86歳にして16時間53分で3.8km泳ぎ、バイクで180km駆け抜け、42kmを走り抜いたのです。

 

2015年、全米が涙した(本当に)シーンがこちら。

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ゴールの手前100mで崩れ落ちる稲田さん。僕はこの写真を見るたびに泣けてきます。その後、立ち上がった稲田さんは、ゴールを目指し走り出します。しかし、ゴールゲートの手前5mにあるわずかなスロープを登り切る力は既になく、再び倒れます。立ち上がるまでにかかった時間は5秒。わずか5秒でしたが、その5秒で稲田さんは制限時間に間に合いませんでした。

 

こちらも公式Facebookページより。翻訳はトライアスロン界の超有名ブロガー八田益之さんのブログから拝借しました。

"With stories of great personal victories also come stories of immense heartbreak. Hiromu Inada, merely seconds past the cut-off time, would have officially become the oldest male Kona finisher. He's certainly an IRONMAN in every sense of the word, and embodies everything amazing about our sport. The emotion in the photo ... is simply overwhelming."

 「栄光の影の敗北。わずか数秒差で彼は史上最高齢でのKONA完走記録を逃した。しかし彼はまぎれもなくアイアンマンであり、この競技の素晴らしさの全てをその身体で表現している。この1枚の写真に込められた感動にただただ圧倒される」

 www.youtube.com

 

2015年に完走を逃した稲田さんは、2016年には見事、完走しました。2017年にバイクで制限時間に間に合わず、2018年にはまたもや完走。

稲田さんは「人は何歳までIRONMANとして生きていけるのか」という疑問に対して、毎年、答えを更新し続けています。稲田さんの前では「年齢とは、ただの数字」でしかありません。

 

こういう人にこそ、国民栄誉賞をと思うのです。