すっかり喉が枯れています。祭の後ほどではないけど、まあまあイキましたね(笑)考えてみると、ランだけでも1,000人以上の選手に、全開で声をかけているわけですから、そりゃあ、喉も潰れるはずです。
応援で伝えること
トライアスロンの応援。特にランの後半になってくると、選手は皆、苦しくなってきます。IRONMAN70.3セントレアの場合だと、1.9キロを泳ぎ、自転車に90キロ乗り、その後に20キロのランになるわけですから、最後の10キロはなかなかキツい時間になります。僕たちが応援していたのは、この残り10キロのあたり。
ここで伝えるのは「苦しいことは僕たちもわかっている」ということ。
同じトライアスリートだからこそ、苦しいことはわかっています。選手はそれぞれが、それぞれの許される環境と範囲で練習してきて、それぞれのベストを尽くします。皆、レベルは違っても、積み重ねてきた距離と時間があります。
「今まで練習してきたのは、ここからのためだぞ!」「まだ行ける!」「粘れ粘れ!」「あだ上げていける!」
僕は選手たちの表情を見て、かける言葉を変えています。上位を狙う人たちには、ペースを上げられるように。昨年の自分と闘っている人や、完走を目標にしている人たちには、諦めずに粘っていけるように。
昨年は年齢別1位だった佐藤さん。今年は苦しんだようです。
高校の同級生、古川。見える場所で歩きやがったから、ケツを蹴り上げました(笑)
同じく高校の同級生、タダ。ゴールデンウィークにサハラ砂漠250キロを走ったひと月後にIRONMAN70.3セントレアに出場。毛玉のくせに(笑)まあまあやります。
応援でもらえるもの
応援しているときは、選手たちを元気づけるだけではありません。もらえるものがあります。
上でも書いたとおり、速い人から、完走を目標に走る人まで、さまざまな年齢や環境でベストを尽くします。
速い人たちは、この人たちは、僕よりもずっと厳しい練習をしてきたから、今、この速さで走っているんだという、自分の道しるべを見せてくれます。
完走目標の人たちは、苦しくて苦しくて仕方ない時間でも諦めずに進む心を。初めて出場したときの、あの苦しさとその先にあるものを思い出させてくれます。
今回の最高齢はIRONMAN(スイム3.8キロ、バイク180キロ、ラン42キロ)の八十歳台世界記録保持者、稲田さん。世界的なレジェンドの走りは圧巻でした。すぐそこに近づくまで、まさか八十五歳のおじいちゃんだとは思いもしませんでした。稲田さんは、まだまだ出来る!と思わせてくれます。
応援では伝えることよりも、もらうもののほうがはるかに大きくて、もっともっとやろうという気持ちにさせてもらえます。
スポーツだけでなく、仕事でもなんでも、モチベーションが維持できないなんて、甘っちょろいことを感じている人たちは、一度、トライアスロンの応援を経験してみるといいかもしれません。
ではでは。