2023年11月に亡くなったチバユウスケさんの著書『EVE OF DESTRUCTION』を読みました。
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著書といっても、チバユウスケが好きなレコード(CDではなくレコード)について書いていて、文章からも、いかにレコードが好きなのかが伝わってきます。普段のチバユウスケを知っている人によると、とてもレコードが好きで「かっこいいレコードが手に入ったから、遊びに来いよ」なんていう、かわいい人だったみたい。確かに文章の端々からかわいらしさが感じられます。
↓は出版元が特別に一部を公開したnoteです。
『この本は、俺が主に10代から20代途中までの間くらいの頃に聴いていたレコードを紹介するものです。このレコードたちのおかげで今の俺があるのかもしれない。もちろんそれだけではないけれども。
この本を君が手に取って、なんかしら素晴らしい音楽に出会えたら幸いです。ジャケットを見るだけでも楽しいと思うよ。ジャケットから音を想像していいかもなと思ったら、ぜひ聴いてみてください。きっと何かが広がるはずさ。
音楽は、音は、ずっと君に残るよ。
チバユウスケ 』
という一文から始まり、赤裸々に語ってくれています。どんな音楽を聴いてきたかというのは、自分をさらけ出すようで、意外と恥ずかしいものですけどね。
ギターのことも
レコードのことだけじゃなくて、ギターのことについても書かれていて、ギターを買うときにアベフトシに相談したところなんて、ミッシェルガンエレファントのファンならたまらないエピソードです。
カッコよければロック
チバユウスケはジャズのレコードを紹介するところで、こんなふうに書いています。『マイルス・デイヴィスだって、俺にとってはロックなんだよ。「うわ、カッコいいな」って自分の心に響いたら、それがロックだって勝手に解釈してる。洋服でもそうだし、靴もそうだし、瓦を作っている人だってそう。職人さんってロックな人が多いよね。「カッコいいな」、「おもしろいな」っていうのが俺にとっての”ロック"なんだ。』
いい夜だな
チバユウスケが亡くなってすぐに、マキシマムザホルモン亮君が、チバユウスケとのエピソードとしてXに投稿していました。
『2012年に矢沢永吉さんの40周年ライブイベントにホルモンが出演させてもらった時の打ち上げで、同じく出演されていたThe Birthdayやザ・クロマニヨンズのメンバーと一緒に飲めた時の事も忘れられない。チバさんと甲本ヒロトさんという伝説の二人に僕も混ざって3人で同じテーブルで飲ませてもらったのだ。めったに打ち上げに出席しないヒロトさんが珍しくほろ酔いで
「初めて言うけど、ぼくはミッシェルガンが現れた時、カッコよくて悔しかったなぁ」
みたいな事をぽろっと本人の前でおっしゃった。
言われたチバさんは無言でムスッとした顔で3秒ほど黙り、その後僕の方を向いて少しだけニヤけて「りょうちゃん…いい夜だな」て、照れくさそうに渋い声でつぶやいて、ビールで乾杯した。』
『瓦を作っている人だってそう』の一文を目にした僕の気持ちは「いい夜だな」だ。