トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

ブルーシートは張るべきか。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の竹内です。

 

今回は真面目なことを書きます。昨年は関西、今年は千葉と、大型の台風が連続で被害をもたらしました。業界紙の記者からの報告で、千葉の写真を見ましたが、屋根にとてつもない被害が出ていて、多くの建物にブルーシートが張られていました。昨年はうちのあたりでも多くの被害が出て、屋根誠で対応した分だけでも200件ほどになり、中には「雨漏りしないようにブルーシートを張ってほしい」という依頼を受けた件もありました。

ここでブログを読んでくれた人に知ってもらいたいことがあります。そもそも、台風で屋根に被害が発生したときに、ブルーシートは張るべきなのか。先日の一般社団法人全日本瓦工事業連盟青年部中部ブロック会議において、ブルーシートを積極的に張ると回答した業者は半分以下。多くの業者は張らないという選択をしているようでした。実は僕もできる限り張らないという判断をします。もちろん場合によります。

張る場合というのは『雨が漏っていること』と『すぐに直せないこと』この二点が重なったときです。どちらか一方だけであれば張りません。雨漏りしていたとしても、雨漏りを止められるようにブルーシートを張るのには、知識と技術が必要です。張れば良いというものではないんです。

張らない理由の一つは、『ブルーシートが風で飛ばされないように固定するのが難しい』こと。どんなに丁寧に張っても、風が入って飛ばされてしまうことがあります。 もう一つは張る場合と関連しますが、『雨が漏っていないのにブルーシートを張っても、無駄になってしまう』から。ブルーシートを張るのにも費用がかかります。だいたい15000円から、場合によっては50000円ほどかかるかもしれません。雨が漏っていない上に、飛ばしてしまう可能性があるのに、費用をかけるなんて、無駄だと思うんです。

 

僕は台風でブルーシートを張ってほしいと言われたら、必ず『雨漏りしているか?』を確認します。雨漏りしていない場合はブルーシートを張ることはお断りしますが、そこにはちゃんと理由があるんです。ブルーシートを張るべきかどうかは、自分で判断せず、屋根屋の判断に任せてください。雨漏りしていなかったら貼らなくても大丈夫です。

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今回の千葉の台風で、悪徳業者が張ったブルーシート。

上の写真は今回の千葉の台風で、悪徳業者が張ったブルーシートの写真です。これで18万円だそうです。金額はもちろんですが、この張り方では無意味です。ガムテープを使っていることが問題なわけではないんです。これだと雨漏りは止まりません。これが理解できない業者、今回はボランティアブルーシートを張ったようですが、たとえボランティアといえど、これが理解できない人にはブルーシートを張らせるべきではない、ということを覚えておいてください。

そして、雨漏りでは人は死なないので、絶対に無理に屋根の上では作業しないでください。