トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

鬼瓦は何を売っているのか?モノを売るのではなく、コトを売らないとね。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の竹内です。

 

八月八日、屋根の日には、高浜のかわら美術館で『屋根の日だよ 全員集合!』というイベントに参加してきました。午後には瓦に関わる仕事をしている、8人のトークショー的なのがあったんですけど、そこで、若くて金髪の鬼師が良いことを言っていました。

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『正しいよりも、楽しいのほうが広く伝わる』その通り。正しいことって大切だけど、そんなのわかってるよって感じたり、ちょっと堅苦しく感じたり。時には押し付けっぽく感じることもありますよね。でも、楽しいことはスルスルと拡散しやすい。極端なことをいうと、ちょっと悪いことでも、楽しいことのほうに魅力を感じたりすることもあります。彼は鬼面の鬼瓦(鬼の顔を模した鬼瓦)の鼻の穴からティッシュが出てくるティッシュケースを造り、お父さんからは「どうかしちゃったのか?お前は何を考えているんだ?」と言われたらしいのですが、とにかく楽しいものを造りたかったとのことでした。そんなティッシュケースなら僕も欲しい。

 

彼はこうも言っていました。

「食べ物屋さんは食べ物を売っているわけじゃなくて、食べた人が美味しいな、幸せだなと感じることを売っています。屋根工事屋さんは、瓦が家を守ってくれるという安心を売っています。では鬼瓦は、鬼師は何を売っているのか。その答えを見つけられたら、鬼瓦の未来は大丈夫だと思います。」

こんな考えを持った若い鬼師がいてくれることを、とても頼もしく思いました。

モノを売るのではなく、その先にあるコトを売る。これって職人が忘れがちなことだと思います。真面目な人ほど理解できなかったりします。いい物を作っていれば売れるっていうのは間違いではないけど、それだけでは売れないんですよね。それを買った人が、どんな経験を得ることができて、どんな幸せを得ることができるのか。僕たちは、その答えを提供し続けないとね。