今日も修理で屋根に上ってきました。
家紋入り8寸影盛台付です。デカいっす。これは離れの鬼瓦で、母屋の鬼瓦は、もう一回り大きくて、鬼瓦の雲の脚の部分がシュッとしてました。
半日、休憩無しで仕事して、13時近くに屋根から降りると、お客さんが出てきたので、状況を説明しました。お客さんは昔、左官屋さんをやっていたとのことで、職人同士のほうが本音で話すことができて面白いし、なによりも詳しい話しをすることができます。
棟の瓦の積み方の過去と現在、瓦の捻じれについてや葺き方の変化。鬼瓦を使う仕事が激減していて、和型を葺ける職人がいなくなっていく現状。
まだまだ若造だった頃は、先輩の職人さんと仕事について話すということは、とても勇気が必要でした。それは経験も実績も、自信も無いんだから当たり前のことです。ところが、いつの間にやら四十歳台も真ん中になった自分は、先輩に対して臆さずに、自然な感じで話せるようになっていて、それがいったい、いつ頃からなのかはわかりませんが、とても心地よいものとして感じるようになっていました。
わずか10分か15分程度だったとは思いますが、先輩の職人さんと、世代を超えてお話しさせて頂くことができて、現在を職人として生きる世代の気持ち、心を少しだけ伝えることができたかと思います。