グレから帰ってきてからは全開で仕事しています。
ときおり、お客さんから「瓦を売ってもらえないか?」という問い合わせを頂くのですが、うちでは基本的にお断りしています。
浮いてしまった瓦、飛んでしまった瓦を戻すのは、一見、簡単そうに見えますし、実際に簡単なこともあります。でも、やっぱり簡単じゃないこともあるし、なによりも屋根の上は危険です。
この写真
棟の伏間という瓦が一枚だけ飛んでいました。瓦を切って、接着固定するだけなので、15分程度で完了しますが、瓦を切らないといけないし、正しく固定しないといけません。そして、ハシゴを使って屋根に上がらないといけません。右上に人が写っていますが、けっこう高いんですよ。このときも「あんな高いところに、よく上がるねぇ」と感心されました。
二階建ての屋根の軒先にハシゴをかけて、ハシゴの上までは上れるかもしれません。でも、そこから屋根に足を乗せるときの恐怖、乗せたとして、体重を移動させていく恐怖、滑りそうな足の恐怖。そしてハシゴに戻るときに、足をハシゴ乗せる、あの一歩の恐怖。恐怖だけじゃなくて、本当に危険です。落ちたら、運が良くて骨折。運が悪ければ…。僕は仕事じゃなかったら、絶対にやりません。
瓦が1枚飛んだくらいなら、条件にもよりますが15,000円かそこらで修理します。危険な思いをするくらいなら、15,000円払って、修理のついでに専門家に全体の点検もしてもらったほうが、今の安全と、その先の安心にもつながると思います。